
ナンピンとは、持っている株が下がったときに買い足して、1株あたりの買値の平均を下げることです。
漢字では「難平」と書きます。
下がったという難しい場面で、買値を平らにならす、という意味です。
この記事では仕組みと計算例を先に見たうえで、ここではこの考え方を使っていない理由を書きます。
ただし、下がった株を買い足すこと自体はしています。
動作は同じなのに別のものだと言うのは、見ている数字が違うからです。
そこがこの記事のいちばん書きたいところです。
📝 この記事でわかること
✅ ナンピン=下がった株を買い足して、買値の平均を下げること
✅ 下がるほど平均は下がるが、下げ止まらなければ損は膨らむ
✅ 買値の平均は自分の記録であって、会社は何も変わっていない
✅ ここでは買値の平均を下げるための買い足しはしていない
✅ やっているのは、配当の薄い業種に足していく買い足し
✅ 一度に全部入れないのは、当てられないから

下がったときに買い足すんやったら、ナンピンしてるのと同じちゃうの?





手を動かしてる中身は同じやな。
ちゃうのは、何を見て買うかや。
ナンピンは自分の買値を見て決める。
こっちは配当がどこから来てるかを見て決めてる。
そこが変わると、やめどきも変わってくるんよ。
ナンピンの仕組み|買値の平均を下げる
計算そのものは単純です。
1,000円で100株買ったあとに株価が800円まで下がり、そこで100株を足したとします。
▶ (1,000円×100株+800円×100株)÷200株=900円
買値の平均が1,000円から900円になりました。
元の1,000円まで戻らなくても、900円まで戻れば含み損は消えます。
戻ってくるまでの距離が縮むのが、ナンピンの効き目です。
そのかわり、株数は2倍になっています。
ここからさらに下がった場合、値下がりの効き方も2倍になります。
距離を縮めたぶん、外れたときの傷が深くなる、という組み合わせです。





半分で買えたら得したように見えるけどな。





その感覚が曲者やねん。
安いところで拾えたかどうかは、あとにならんと分からへん。
買った瞬間に分かるのは、株数が倍になったことだけやな。
買値の平均が下がっても、会社は何も変わっていない
ここで一度、何が動いたのかを確かめておきます。


動いたのは、買値の平均という自分の記録だけです。
会社の売上も利益も、1株あたりの配当も、何ひとつ変わっていません。
買値の平均は自分の口座の中にしかない数字で、相場はそれを知りません。
つまり「900円まで戻れば損が消える」というのは、自分の都合で引いた線です。
その線に向かって株価が戻る理由は、どこにもありません。
一方、配当で見ると動いた数字があります。
株数が100株から200株になったので、受け取る配当も2倍になりました。
受け取る金額は株数で決まり、買値は関係ありません。
配当がいくら入るかという話は配当とはに書きました。





取得単価が下がるのは、いいことちゃうん?





悪いことやないで。
ただ、それが良かったかどうかは株価が戻ったかどうかで決まる。
戻るかどうかは自分では決められへんから、そこを目的に置くと落ちつかへんのよ。
ここでやっている買い足しは、何を見ているか
毎月決まった額で買い足していますが、選び方は「下がった銘柄」ではありません。
見ているのは受け取る配当の偏りです。
1銘柄からの配当が全体の5%を超えないようにして、1業種からの配当が全体の1割を超えていないかを確かめます。
そのうえで、薄くなっているところから足します。
業種別に割った実際の数字はセクター投資とはに、選び方は買い増す銘柄と株数はこう決めるに載せました。
この決め方だと、結果として下がっている銘柄を買うことはあります。
株価が下がれば利回りは上がるので、同じ金額でも配当を多く拾えるからです。
ただし「下がったから買う」のではなく「配当の構成として薄いから買う」という順番です。
順番が違うだけに見えますが、やめどきが変わります。
買値を基準にすると、戻るまで買い続ける理由が残ります。
配当の構成を基準にすると、その業種が薄くなくなった時点で買う理由が消えます。
終わりが自分の外側で決まるのが、この決め方のいいところです。





同じ銘柄を何回も買うことはあるん?





あるで。
ただ配当が全体の5%に近づいてきたら、そこで止まる。
気持ちで止めるんやなくて、数字が先に止めてくれる形にしてあるんよ。
買う量を分けるのは、当てられないから
買うタイミングをまったく見ていないかというと、そうでもありません。
高配当株を買うのは安いところで利回りを取りにいく行為でもあるので、その意味ではタイミングの話が入ってきます。
需給が偏っていないかを見ることもあります。
ただ、それで底が読めるとは思っていません。
読み切れないので、1回で全部入れずに量を分けます。
3分の1ずつ、といった決まった刻み方をしているわけではなく、「一度に入れきらない」という程度の話です。
ナンピンとの違いは、下がったことをきっかけにしていない点です。
分けて買うのは、最初に買う時点からそう決めているだけで、下がったから追加する、という形にはしていません。
⚠️「何%下がったら何株足す」という決まりも作っていません。
そういう線を引くと、その線に届かせるために相場を見に行くことになるからです。
買うタイミングは、毎月の買い増しのときに来ます。
ナンピンが危ないと言われる理由
ナンピンが危ないとされる理由は、大きく2つあります。
1つ目は、1銘柄が膨らむことです。
買い足すたびにその会社の比率が上がるので、分けて持っていたはずのものが、いつのまにか偏ります。
考え方は分散投資とはに書きました。
2つ目は、取り返すことが目的になってしまうことです。
買値を基準に置くと、下がるほど「ここで足せば早く戻る」という理屈が立ちます。
会社の中身が悪くなっていても、その理屈は同じように立ってしまいます。
だから、下げた理由を確かめる必要があります。
相場全体が下げているだけなのか、その会社の稼ぐ力が落ちているのか。
見る場所は決算で、配当を出す余力が残っているかは配当性向で確かめられます。
ここでは減配や無配の発表が出たときだけ、買った理由が崩れたと考えます。
値段が下がったことそのものは、売る理由にも買い足す理由にもしていません。
この立場は損切りとはと対になっています。





下がってる理由が分からへんときは、どうしてるん?





分からへんうちは足さへんな。
決算を見て、配当を出す余力が残ってるかを確かめてからでも遅ないからな。
毎月の買い増しは次の月にも来るし、急いで決める場面やないんよ。
ドルコスト平均法との違い
ドルコスト平均法は、決まった間隔で決まった額を買い続けるやり方です。
相場を見ないので、上がっていても下がっていても同じ額を買います。
| きっかけ | 見ている数字 | |
|---|---|---|
| ナンピン | 株価が下がったこと | 自分の買値の平均 |
| ドルコスト平均法 | 決めた日が来たこと | とくに見ない |
| ここでの買い足し | 決めた日が来たこと | 配当の偏り |
この表でいうと、ここでやっているのはドルコスト平均法に近い形です。
毎月決まった額を買うところは同じで、その額をどの銘柄に割り振るかだけを自分で決めています。





毎月同じ額でいいんやったら、投信の積立と変わらへんのちゃう?





リズムは同じやな。
ちゃうのは、その額をどこに入れるかを自分で決めてるところや。
投信やと中身は決まってるけど、こっちは配当の薄いところを選んで足せる。
そのぶん手はかかるけどな。
まぐのメモ
買値の平均を下げることを、目的にしていた時期があります。
口座の画面に出ている損益の数字が小さくなると、それだけで安心できました。
やめたのは、その数字が誰にも関係ないと気づいたからです。
自分がいくらで買ったかは、会社も相場も知りません。
戻ってくる理由にはならない数字を、判断のよりどころにしていました。
いま買い足すときに見ているのは、配当がどこから来ているかです。
薄いところに足していくだけなので、下がったから買うのか、取り返したくて買うのかで迷う場面がなくなりました。
📊 結局どの高配当株を買えばいい?スコアで並べたランキングがあります
「高配当株に興味はあるけど、結局どれを買えばいいの?」——その入口になるのが、東証の全上場企業をスクリーニングして、利回り×財務スコアで並べた note「月次・高配当株ランキング」 です。
📅 最新号を公開中。
スクリーニング条件から通過銘柄、スコア上位のランキング、全利回りランキングまで、すべて無料で読めます。
過去の号もマガジンにまとめてあるので、月ごとの入れ替わりも追えます。
■Kindle Unlimitedなら0円で読めるで📕(二部作)
このブログでやってる手法を、2冊にまとめてある。
読み放題に入ってたら、どっちもタダで読めるで。
第1弾『10年データで選ぶ高配当株入門』は銘柄の選び方編。高利回りの罠の見抜き方から、8つの物差し・10年データでの採点手順まで、このブログの手法を最初から順番に学べるで。
第2弾『10年データで組む高配当株ポートフォリオ』は組み方編。まぐが実際に現金30万円で30銘柄を買った実録をもとに、ポートフォリオの設計から発注・運用の作法までを1冊にしたで。
👆 画像をタップでAmazonへ(Kindle Unlimitedなら0円/入ってなければ各500円)
📚 あわせて読みたい関連用語
▶ 損切りとは?意味をわかりやすく解説
▶ ドルコスト平均法とは?意味をわかりやすく解説
▶ 分散投資とは?意味をわかりやすく解説
▶ 配当性向とは?意味をわかりやすく解説
▶ セクター投資とは?意味をわかりやすく解説
▶ 株価とは?意味をわかりやすく解説
▶ 取得単価とは? 平均取得価額との違いをわかりやすく解説
よくある質問(FAQ)
Q1. ナンピンはやってもいいですか?
やったらあかん、とまでは思ってへんな。
ただ買値の平均を下げること自体は、会社の中身を何も変えてへん。
それを目的に置くと、戻るまで買い続ける理由が残ってまうから、こっちでは基準にしてへんのよ。
Q2. 何%下がったら買い足すというルールは作るべきですか?
こっちでは作ってへんな。
線を引くと、その線に届いたか毎日見に行くことになるからな。
買い足すのは毎月決まったときで、選ぶ基準は配当がどこから来てるかや。
Q3. 同じ銘柄を買い足していくのは分散が崩れませんか?
崩れるから、そこに線を引いてるで。
1銘柄からの配当が全体の5%を超えんように、1業種で1割を超えんようにしてる。
⚠️金額やなくて配当で数えるのがポイントで、減配で痛むのは配当の方やからな。
Q4. 買うタイミングは気にしていますか?
気にしてへんことはないで。
安いところで買えたら利回りが上がるから、そこは見てる。
ただ底は読み切れへんから、1回で全部入れんと量を分けてる。
3分の1ずつ、みたいなきっちりした決まりにはしてへんけどな。
まとめ
ナンピンは、下がった株を買い足して買値の平均を下げることです。
戻ってくるまでの距離は縮みますが、株数が増えているので下げ止まらなかったときの傷は深くなります。
そして買値の平均は、自分の口座の中にしかない数字です。
下げたところで会社の業績も配当も変わりませんし、相場がその線に向かって戻る理由もありません。
ここでやっている買い足しは、配当の偏りを見て薄いところに足していく形です。
結果として下がった銘柄を買うことはありますが、順番が逆になっています。
この順番だと、買う理由が消えるタイミングも自分の外側で決まります。
▶ 損切りとは?値段で売る道具を使わない理由
▶ 高配当株ポートフォリオのメンテナンス|買い増す銘柄と株数はこう決める
▶ セクター投資とは?業種分類と配当の偏りの見方を解説
▶ ドルコスト平均法とは?メリットと注意点をわかりやすく解説
▶ 株が下がったらどうする?答えは「いつ使うお金か」で決まる
▶ 高配当株とは?銘柄の選び方とメリット・デメリットを解説
📈 この用語を使って実際の銘柄を見てみる?
magnikki.comでは、PER/PBR/配当利回り/自己資本比率/連続増配など、当サイトで解説してる用語を活用して10年データで高配当銘柄を徹底分析してます。
✅ KDDI(9433)|24期連続増配・利回り3.08%
✅ NTT(9432)|15期連続増配・利回り3.5%
✅ アサヒGHD(2502)|18期連続増配・利回り3.4%
✅ 日本製鉄(5401)|PBR0.56・利回り4-5%
✅ JT(2914)|配当利回り4%超え
■証券口座を開設するなら、SBI証券と楽天証券の2社が鉄板や!
【2社共通の強み】
・国内株売買手数料:0円(2023〜)
・NISA:両方フル対応、つみたて枠の商品数もほぼ同等
・クレカ積立:両方対応(SBI=三井住友/楽天=楽天カード)
・入金:即時入金・手数料無料
【選び方の目安】
・楽天経済圏(楽天カード/楽天市場/楽天モバイル)なら → 楽天証券
・三井住友カードやPonta/Vポイント派なら → SBI証券
・どっちも使ってないなら → SBI証券(業界最大手で品揃え広い)
どっちを選んでも「NISAで投資デビュー」の王道コースやで!
口座開設は無料・5〜10分で完了するで。
この記事が役に立ったら、下のバナーを押していただけると更新の励みになります。
にほんブログ村の「高配当株」カテゴリに参加しています。





