
一目均衡表とは、5本の線と「雲」と呼ばれる帯を使って相場を見るテクニカル指標です。
日本で考案された指標で、名前は考案者のペンネーム「一目山人」から来ています。
海外でもIchimokuの名前でそのまま使われています。
ほかの指標と違うのは、時間のずらし方を組み込んでいることです。
先の日付のところにあらかじめ線を引いたり、逆に過去へずらして描いたりします。
そのため、チャートの右端よりさらに右側にも線が伸びています。
先に立ち位置を書いておきます。
このサイトでは一目均衡表を使っていません。
売買のタイミングを判断するために組み立てられた指標であり、高配当株を長く持って配当を受け取り続けるという目的と、道具の役割が合わないためです。
この記事では、5本の線が何を表しているかを説明したうえで、その線引きの理由まで書きます。
📝 この記事でわかること
✅ 一目均衡表は5本の線と雲でできている
✅ それぞれの線が何を計算しているか
✅ 雲が未来まで伸びている理由(先へずらして描いているだけ)
✅ 三役好転・三役逆転という言葉の意味
✅ このサイトで使っていない理由
✅ 一目均衡表でわかることと、わからないこと
5本の線と雲|それぞれが何を計算しているか
まず線の中身から整理します。
どれも高値と安値の真ん中を取る、という計算が基本です。
| 線の名前 | 中身 | 描く位置 |
|---|---|---|
| 転換線 | 直近9日の高値と安値の真ん中 | その日の位置 |
| 基準線 | 直近26日の高値と安値の真ん中 | その日の位置 |
| 先行スパン1 | 転換線と基準線の真ん中 | 26日ぶん先へずらす |
| 先行スパン2 | 直近52日の高値と安値の真ん中 | 26日ぶん先へずらす |
| 遅行スパン | その日の終値 | 26日ぶん過去へずらす |
このうち先行スパン1と先行スパン2に挟まれた部分が雲です。
2本の線に挟まれた帯なので、厚くなったり薄くなったりします。

図中の「三役好転は強いエントリーシグナル」は一般的な紹介のされ方で、このサイトでは売買の合図としては使っていません
9・26・52という数字が使われています。
これは考案されたときの設定がそのまま定着したもので、この数字でなければならない理由が確かめられているわけではありません。

9とか26って、なんか意味のある数字なん?





考案された当時の週の数え方から来てる、という説明はよう見かけるな。
ただ、それが正しいと確かめられてるわけやない。
みんなが同じ数字を使ってる、というところに意味があるくらいやと思うで。





線が5本もあると、どこ見たらええか分からんくなるな。





最初はみんなそうなると思うで。
計算はどれも「高値と安値の真ん中」やから、そこだけ押さえたら整理しやすい。
期間が9日か26日か52日か、という違いやな。
雲が未来まで伸びている理由
一目均衡表を初めて見たとき、いちばん不思議に見えるのが雲だと思います。
まだ来ていない日付のところに、すでに帯が描かれているためです。
ただ、これは未来を計算しているわけではありません。
今日までの数字を、そのまま26日ぶん先の位置に描いているだけです。
だから右側の雲は、これから起きることではなく、すでに終わったことを先の場所に置いたものです。
遅行スパンはその逆で、今日の終値を26日前の位置に描きます。
いまの株価が26日前と比べて上か下か、が見た目でわかるようにした線です。





過去にずらして、何が分かるん?





1か月ちょっと前と比べて、いまが上か下かが一目で分かる。
同じことは株価のチャートを目で追っても分かるけど、線にしたら迷わへんわな。
そういう手間を省く工夫が多い指標やと思うで。





未来の雲が見えるって聞いて、ちょっと期待してもうたわ。





その気持ちは分かるで。
けど中身は過去の数字を右に置いただけやから、予測は入ってへん。
先の形が今から決まってる、というだけの話やな。
三役好転・三役逆転という言葉
一目均衡表の話でいちばんよく出てくるのが、この2つの言葉です。
3つの条件がそろった状態を指します。
| 条件 | |
|---|---|
| 三役好転 | 転換線が基準線より上/株価が雲より上/遅行スパンが株価より上 |
| 三役逆転 | 転換線が基準線より下/株価が雲より下/遅行スパンが株価より下 |
3つそろうことは、それほど頻繁には起きません。
そのぶん強い合図として紹介されることが多い言葉です。
ただし、そろった時点ではすでに株価がその方向へ動いたあとです。
3つとも過去の高値安値や終値から計算されているので、株価より先に動くことはありません。
条件を増やすほど確からしさは上がりますが、そのぶん遅くなります。





条件が3つもそろうって、けっこう強そうやけどな。





そろいにくいぶん、そろったら意味はあるように見えるな。
けど3つとも過去の数字から作ってるから、株価より先に動くことはない。
確からしさと早さは、だいたい引き換えやで。
このサイトで一目均衡表を使っていない理由
一目均衡表は、いつ入っていつ出るかを判断するために組み立てられた指標です。
このサイトでは、その判断自体をしていません。
使っていない理由
①売るのは前提が崩れたときだけと決めている(不祥事・想定以上の減配・乗り換え候補の出現・TOB)。
三役逆転はこのどれでもない
②目的が配当を受け取り続けることなので、雲を抜けても受け取る配当は変わらない
③5本の線の材料はすべて株価。
高値と安値と終値から計算しているので、会社が稼げているかは入っていない
③はMACDやRSIと同じ理由です。
線が5本に増えても、材料が増えたわけではありません。
同じ株価を、期間を変えて何通りかに切り分けているだけです。
確かめたいのは配当を利益で無理なく賄えているかと、会社が示している株主還元の方針のほうです。
そこは決算短信の側にあります。
指標そのものを否定しているわけではありません。
日足でも週足でも同じ形で使えて、時間の軸まで組み込んだ設計は、よく考えられていると思います。
目的が違うと、同じ道具でも要る要らないが変わる、というだけの話です。





日本で生まれた指標って、ちょっと親しみ湧かへん?





そこは正直あるな。
新聞社の人が何人もかけて作ったという話も面白い。
ただ、面白いのと自分が使うのはまた別やからな。
一目均衡表でわかること、わからないこと
| わかること | わからないこと |
|---|---|
| いまの株価が雲より上か下か | その会社がいくら稼いでいるか |
| 9日・26日・52日の高値安値の真ん中がどこか | 配当を無理なく払えているか |
| いまの終値が26日前と比べて上か下か | これから雲を抜けるかどうか |
| 3つの条件がそろっているかどうか | なぜその株価になっているのか |
右の列は決算を見にいくしかありません。
長く持つ前提だと、判断に効いてくるのは右の列のほうです。





線が多いぶん、たくさん分かりそうな気がしてまうけどな。





そこは見た目に引っぱられるところやな。
5本あっても、元の材料は高値と安値と終値だけや。
情報が増えてるわけやなくて、切り口が増えてるだけやで。
まとめ|雲は未来やなく、過去を先へ置いたもの
この記事のまとめ
一目均衡表=5本の線と雲でできた、日本で考案された指標
どの線も高値と安値の真ん中が基本。
違うのは期間(9・26・52)
雲が未来まで伸びているのは、今日までの数字を26日先へずらして描いているから
三役好転・三役逆転は3つの条件がそろった状態。
そろった時点では株価はもう動いている
このサイトでは使っていない(材料が株価だけで、配当を払えるかは映らないため)
一目均衡表は、時間という軸まで組み込んだ、よく考えられた指標です。
ただ、そこに映るのはあくまで株価です。
配当を受け取り続けることを目的にするなら、確かめる先は決算のほうになります。
そして、前提が崩れない限り基本は売らずに、元本を保ちながら配当を受け取り続ける。
この形で見ていくなら、雲の上か下かより先に見るものがあります。
まぐのメモ
一目均衡表は、名前と見た目の迫力で身構えてしまう指標でした。
5本の線をひとつずつ分解してみたら、どれも高値と安値の真ん中を取っているだけで、思っていたより素直な作りでした。
いちばん腑に落ちたのは、雲が未来を計算しているわけではないという点です。
今日までの数字を先の位置に置いているだけだと分かると、「先が見える指標」という印象はだいぶ変わりました。
持っている30銘柄について、雲を見て買った銘柄も売った銘柄もありません。
そもそも売っていないので、三役逆転を使う場面がないというのが正直なところです。
調べてみて面白かった、というところで止まっている指標です。
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よくある質問(FAQ)
Q1. 雲は未来の株価を予測しているのですか?
予測はしてへんで。
今日までの高値と安値から計算した線を、そのまま26日ぶん先の位置に描いてるだけや。
やし右側の雲は、これから起きることやなくて、もう終わったことを先に置いたもんやな。
形が先に決まってるだけ、と思ったらええで。
Q2. 三役好転が出たら買ったほうがいいですか?
ここでは買う理由にはしてへんな。
3つの条件がそろった時点で、株価はもうその方向へ動いたあとやからな。
どの線も過去の高値安値から計算してるから、株価より先に動くことはないんよ。
買うかどうかは、その会社が配当を払えてるかで決めてるで。
Q3. 線が多くて覚えられません。全部覚える必要はありますか?
売買に使わへんのなら、全部は要らんと思うで。
「どの線も高値と安値の真ん中で、違うのは期間だけ」と分かってれば充分や。
あと「雲は過去を先へずらしたもんで、予測やない」——ここを知っといたら、相場の記事を読んでても引っかからへんようになるで。
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