金利は、お金を借りるときに払う対価、あるいはお金を貸したときに受け取る対価の割合です。
年利2%なら、100万円を1年借りて2万円を払う、ということになります。
言いかえればお金のレンタル料です。
このレンタル料が動くと、株価も為替も債券も影響を受けます。
とくに株価については、利益が出るのが先の会社ほど大きく効きます。
その理由は、この記事の図で説明します。
この記事では、金利にどんな種類があるか、なぜ金利が上がると株価が下がりやすいのか、高配当株にとって金利上昇が何を意味するか、そしてそれを読んで持ち替えないと決めている理由までを整理します。
📝 この記事でわかること
✅ 金利=お金のレンタル料
✅ 政策金利は中央銀行が決め、長期金利は市場が決める
✅ 金利が上がると、利益が先にある会社ほど評価が下がる
✅ 金利が上がると、預金や債券が株の競争相手になる
✅ 実質金利=名目金利−物価の上昇見込み
✅ ここでは金利を読んで持ち替えることはしない


金利って、銀行の預金利息くらいのイメージしかないわ。





そこから広げるとええと思う。
お金を借りる値段が変われば、会社の利益も家計も変わるからな。
株も為替も、もとをたどると金利につながってる。
金利には種類がある
ひとくちに金利といっても、いくつかの種類があります。
投資の話で出てくるのは、おもに次の3つです。
| 種類 | 誰が決めるか | 何に効くか |
|---|---|---|
| 政策金利 | 中央銀行(日銀・FRBなど) | 短期のお金の値段。 金融政策の中心 |
| 長期金利 | 債券市場(10年国債の売買) | 住宅ローンや社債の基準になる |
| 実質金利 | 計算で出す(名目金利−物価の上昇見込み) | お金の価値が実際に増えるかどうか |
政策金利は、中央銀行が会合で決めます。
景気が過熱して物価が上がりすぎているときは引き上げ、景気が落ち込んでいるときは引き下げます。
ブレーキとアクセルを切り替えるスイッチのようなものです。
一方、長期金利は誰かが決めるものではありません。
10年国債が市場で売買される中で決まります。
そこには「これから景気がどうなるか」「物価がどうなるか」という市場の見込みが入っています。
住宅ローンや会社の借入は、この長期金利をもとに決まることが多くあります。
だから、暮らしや企業の利益に効いてくるのは長期金利のほうです。
金利が上がると株価が下がりやすい理由
株価は、その会社がこれから稼ぐお金を「いまの価値」に直したもので決まる、と説明されます。
この「いまの価値に直す」ときに使うのが金利です。
将来の100万円は、いまの100万円と同じ価値ではありません。
いま手元にあれば運用できるからです。
金利が高いほど、将来のお金は今の価値に直したときに小さくなります。


図のとおり、1年後の100万円なら金利が1%でも5%でも差は4万円ほどです。
ところが10年後の100万円になると、差は29万円まで広がります。
つまり、利益が出るのが先の会社ほど、金利上昇で評価が下がります。
これが、金利が上がる局面でグロース市場の会社や情報技術の会社が大きく売られやすい理由です。
逆に、いまきちんと稼いでいる会社は影響が小さくなります。
小型株が景気に振られやすいのも、借入の金利がそのまま効くことが重なるためです。
株価が下がる理由は、これだけではありません。
借入のある会社は利息の負担が増えますし、金利が上がれば預金や債券のほうが魅力的に見えて資金が抜けます。
消費が冷え込んで売上が落ちる、という道筋もあります。





10年後の100万円が61万円にしかならへんのか。
けっこう減るな。





金利が5%やったらな。
だから「これから伸びます」と言うてる会社ほど、金利で評価が動く。
いま配当を出してる会社は、そこまで先の話やないから効き方が違う。
金利が上がると、高配当株の競争相手が増える
金利上昇には、もうひとつ見落とされやすい面があります。
預金や債券が、株の競争相手になることです。
金利がほぼゼロのとき、配当利回り3.5%の株には比べる相手がいません。
預けても増えないなら、多少の値動きを受け入れてでも受け取れるほうを選ぶ理由があります。
ところが金利が上がってくると、話が変わります。
債券が利回りを持ち始めるからです。
値動きの小さい商品で2%が取れるなら、3.5%の株を選ぶ理由は「その1.5%の差に見合うか」に変わります。
だから、金利が上がる局面では高配当株も売られることがあります。
「配当が出るから金利に強い」とは言えません。
利回りだけを比べるなら、金利が上がったぶん見劣りするからです。
そのうえで、ここでは配分を変えていません。
理由は、持っている目的が利回りの比べ合いではないからです。
配当は会社が増やしてくれる可能性がありますが、債券の利率は最初に決まったまま動きません。
受け取る額が増えていく形かどうかで選んでいます。





金利が上がったら、債券に移したりせえへんの?





してへんな。
いま利回りだけ比べたら債券が勝つ場面はあると思う。
ただ、こっちは受け取る額が増えていくほうに賭けてる。
そこを比べんと、利回りの数字だけで乗り換えることになる。
金利と為替のつながり
金利は為替にも効きます。
お金は、金利の高いところへ動きやすいからです。
日本の金利が低く、米国の金利が高い状態が続くと、円を売ってドルを買う動きが出ます。
これが円安の一因になります。
逆に日本の金利が上がるか、米国の金利が下がれば、その差は縮まります。
ただし、為替は金利差だけで決まるわけではありません。
貿易の状況や、世界的にリスクを避ける動きなど、ほかの要因も同時に働いています。
金利差は、そのうちのひとつの説明です。





円安の理由が金利差やって、よう聞くけどそれだけなん?





それだけやないな。
貿易の状況とか、世界的にリスクを避ける動きとかも同時に効いてる。
金利差は、説明のひとつという扱いにしといたほうがええ。
実質金利という考え方
預金金利が1%でも、物価が2%上がっていれば、買えるものの量は減っています。
この差を見るのが実質金利です。
実質金利=名目金利−物価の上昇見込みという式で表されます。
表に出ている金利が名目金利、そこからインフレの分を引いたものが実質金利です。
実質金利がマイナスのとき、現金で持っているだけで買えるものは目減りしていきます。
投資のリスクの記事に「リスクを取らないという選択肢はない」と書きましたが、その根拠がここにあります。
金利を読んで持ち替えない
金利の局面に合わせて資産を入れ替える、という考え方があります。
利上げが始まったら金融株へ、利下げが見えてきたら債券へ、といった形です。
ここでは、これをやっていません。
理由は3つあります。
ひとつめは、いま金利サイクルのどこにいるかは後から振り返らないと分からないからです。
「利上げの最後の1回」が最後だったかどうかは、次がなかったときに初めて確定します。
ふたつめは、入れ替えるには売る必要があるからです。
売れば税金がかかり、NISAなら枠を使います。
読みが当たっても、その分を上回るかどうかは別の計算になります。
みっつめは、金利の織り込みが速いことです。
利上げが予想された時点で株価は動き始めるので、会合の結果を見てから動いても、たいてい遅れます。
ニュースになった時点では、すでに値段に入っています。
そのうえで、金利を見ること自体はしています。
自分の持っている銘柄が下げた週に、金利が動いていたのか、その会社の事情だったのかを分けるためです。
買うためではなく、読むために見る、という位置づけです。





利上げが来るって分かってたら、先に動いたほうが得やん?





分かってたらな。
ただ、その予想は自分だけが持ってるわけやない。
みんなが同じことを考えてる時点で、もう値段に入ってるんよ。





実質金利がマイナスやと、現金で持ってるだけで損してるんか。





買えるものの量で見たらそうなるな。
口座の数字は減ってへんから気づきにくいけどな。
「何もせえへん」も、ひとつの選択やという話や。
まとめ|お金のレンタル料が動くと、何が変わるか
金利はお金のレンタル料で、株価・為替・債券のすべてに効きます。
株価については、利益が出るのが先の会社ほど、金利上昇で評価が下がります。
高配当株も、金利が上がれば預金や債券と比べられる立場になります。
この記事のまとめ
・金利=お金のレンタル料
・政策金利は中央銀行が決め、長期金利は市場が決める
・暮らしと企業の利益に効くのは長期金利のほう
・金利が上がると、利益が先にある会社ほど評価が下がる
・高配当株も、金利上昇で預金や債券と比べられる
・実質金利=名目金利−物価の上昇見込み
・ここでは金利を読んで持ち替えない
まぐのメモ
金利の話でいちばん役に立ったのは、「利益が先にある会社ほど効く」という仕組みや。
これが分かると、金利のニュースで何が売られるかの見当がつく。
配当を出してる会社の効き方が違うのも、同じ理屈で説明できる。
高配当株が金利上昇に強い、とは思ってへん。
利回りだけで比べたら、金利が上がったぶん見劣りするからな。
それでも配分を変えてへんのは、配当は増えることがあるけど、債券の利率は最初のまま動かへんからや。
受け取る額が増えていく形かどうかで選んでる。
金利の局面を読んで持ち替える、というのはやってへん。
いまサイクルのどこかは、後から振り返らんと分からへんからな。
それに、みんなが予想してることは、もう値段に入ってる。
読むために見て、動くためには使わへん。
それで足りてる。
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よくある質問(FAQ)
Q1. 金利が上がると株価は必ず下がりますか?
必ずしもそうとは限らへんな。
景気が良くなってきたことによる利上げなら、業績の伸びが金利の影響を上回って株価が上がることもある。
逆に、景気が悪いのに物価だけ上がって利上げになる場面はきつい。
「なぜ上げたのか」まで見んと、方向は決まらへん。
Q2. 高配当株は金利上昇に強いですか?
強いとは言えへんと思う。
金利が上がると、預金や債券が利回りを持ち始めるからな。
利回りだけを比べたら、株を選ぶ理由はその分だけ弱くなる。
それでも持ち続けてるのは、配当は増えることがあるけど債券の利率は最初のまま動かへんからや。
Q3. 金利のニュースは毎回チェックすべきですか?
持ち続けるつもりなら、毎回追う必要はないと思う。
会合の結果を見てから動いても、たいてい遅れてるからな。
予想された時点で、もう値段に入ってることが多い。
後から「あれで動いたんか」と確かめられるくらいでちょうどええ。
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