株式数比例配分方式とは、株の配当金を証券口座で受け取る方式のことです。
保有している株式数に応じて、その株を預けている証券会社の口座に配当金が振り込まれます。
この設定が重要なのは、NISA口座で買った株の配当を非課税で受け取るための条件になっているからです。
他の受取方法のままにしていると、NISA口座の株なのに配当には20.315%が課税されます。
手続きそのものは証券会社の設定画面で5分ほどで終わります。
この記事では、4つある受取方式の違い、なぜ比例配分方式でないと非課税にならないのか、SBI証券と楽天証券それぞれの設定手順、そして見落としやすい注意点までをまとめて整理します。
📝 この記事でわかること
✅ 株式数比例配分方式とは何か・他の3方式との違い
✅ この設定を飛ばすとNISAの配当が課税される理由
✅ SBI証券・楽天証券それぞれの設定手順
✅ 権利確定日までに間に合わせるための期限の目安
✅ 貸株・米国株など、非課税にならないケース

配当の受取方法なんて、どれを選んでも同じやと思ってたわ。





そこが落とし穴やねん。
受け取る金額そのものは変わらへんけど、NISAの非課税が効くかどうかが変わるんよ。
証券口座で受け取る「株式数比例配分方式」だけが非課税に対応してて、銀行や郵便局で受け取る方式やと税金が引かれてしまうんや。
株式数比例配分方式とは?配当を証券口座で受け取る方式
株式数比例配分方式は、配当金の受取方法として選べる4つの方式のうちのひとつです。
株を預けている証券会社の口座に、保有株式数に応じて配当金が入金されます。
複数の証券会社に同じ銘柄を分けて持っている場合は、それぞれの残高に比例して各口座に振り分けられます。
「比例配分」という名前はここから来ています。
受取方法には、これを含めて次の4つがあります。
NISAの非課税に対応しているのは、このうち株式数比例配分方式だけです。
| 受取方法 | 配当の受取場所 | NISAの非課税 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| 株式数比例配分方式 | 証券口座 | ○ 対応 | 複数の証券会社に分けて持っていれば残高に応じて按分される |
| 登録配当金受領口座方式 | 指定した銀行口座 | × 非対応 | すべての銘柄の配当がひとつの口座にまとまる |
| 個別銘柄指定方式 | 銘柄ごとに指定した銀行口座 | × 非対応 | 銘柄ごとに振込先を分けられる |
| 配当金領収証方式 | 郵便局などの窓口 | × 非対応 | 領収証が郵送され、窓口で現金として受け取る |
結論から言うと、NISAを使うなら株式数比例配分方式の一択です。
NISAの非課税に対応しているのがこの方式だけ、という点が決定的です。
非課税以外にも実務上の利点があります。
配当が証券口座に入るため、そのまま次の買い増しに回せます。
銀行口座に振り込まれる方式だと、買い増すたびに証券口座へ入金し直す手間がかかります。
配当の履歴も証券会社の画面で一覧できるので、年間いくら受け取ったかを確認するのも簡単です。
NISAを使わないなら、登録配当金受領口座方式も悪くない
課税口座だけで投資していて、NISAを使う予定がないのであれば、登録配当金受領口座方式にもはっきりした利点があります。
すべての銘柄の配当が、指定したひとつの銀行口座にまとまって振り込まれるからです。
銘柄が増えても振込先はひとつのままなので、通帳やアプリを見れば受け取った額がそのまま並びます。
とくに配当を生活費として使う場合は、この形のほうが管理しやすいことがあります。
証券口座に入れておくと、つい次の買い増しに回してしまって「使うお金」として区別しにくくなるからです。
配当は使うと決めているなら、入り口の段階で証券口座と分けてしまうほうが素直な設計とも言えます。
それでもこの記事で株式数比例配分方式をすすめるのは、後からNISAを使い始めたときに、設定し直す手間と取りこぼしが発生するからです。
受取方式の変更は反映まで数営業日かかり、権利確定日を過ぎてしまうとその回の配当は非課税になりません。
NISAを使う可能性が少しでもあるなら、先に比例配分方式にしておくほうが安全です。
配当金領収証方式だけは、あえて選ぶ理由が薄い
4つのうち配当金領収証方式は、領収証を持って郵便局の窓口へ行く必要があります。
受け取り期限を過ぎると手続きが面倒になり、銘柄数が増えるほど管理しきれなくなっていきます。
現金で受け取りたいという明確な希望がなければ、選ぶ理由は見当たりません。





証券口座に入ってくるほうが、買い増しもそのままできて楽やな。





配当が入ったら気になってた銘柄を1株買い足す、という動きがすぐできるからな。
逆に使い切ると決めてるなら、銀行にまとめたほうが分かりやすいこともある。
そこは目的次第やけど、NISAを使うなら比例配分方式しか選べへん、というのが効いてくるんよ。
なぜこの設定がないとNISAの配当に課税されるのか
NISA口座の非課税は、証券会社が「この配当はNISA口座の株から出たものだ」と認識できて初めて機能します。
株式数比例配分方式なら、配当は証券会社を経由して口座に入金されるため、証券会社の側でNISA預りの株かどうかを判別でき、税金を引かずに入金されます。
一方、銀行口座や郵便局で受け取る方式を選んでいると、配当は証券会社を通らずに発行会社側から直接支払われる形になります。
この経路では非課税の判定ができないため、NISA口座で買った株であっても20.315%が源泉徴収されてしまいます。
引かれる金額は、配当が増えるほど大きくなります。
30万円を利回り4%で運用した場合、配当は年1万2,000円ほどです。
課税されると約2,400円が引かれて、手取りは9,500円ほどになります。
配当が年30万円の規模になると、税金は約6万円です。
しかも配当は毎年受け取るものなので、この差は毎年くり返し発生します。
設定を直せば、次回の配当からは非課税で受け取れます。
ただし過去に課税された分がさかのぼって戻ることはありません。
気づいた時点で早めに直しておきたい設定です。





受け取る金額は同じなのに、経路が違うだけで税金が変わるんか。





証券会社を通るかどうかで、非課税の判定ができるかが決まるからな。
NISAで買った時点で自動的に非課税になるわけやなくて、受け取り方まで揃って初めて効くという仕組みなんよ。
SBI証券での設定・確認手順
SBI証券では、WEBサイトにログインしたあと「My設定」→「お取引関連・口座情報」→「配当金受領サービス」から現在の設定を確認・変更できます。
画面には現在選択されている方式が表示されます。
「株式数比例配分方式」になっていればそのままで問題ありません。
別の方式になっている場合は、そこから変更を申し込みます。
入力するのは受取方式の選択だけで、書類の郵送や印鑑は不要です。
SBI証券の設定手順
1. SBI証券のWEBサイトにログインする
2. 画面上部の「My設定」を開く
3. 「お取引関連・口座情報」のタブを選ぶ
4. 「配当金受領サービス」欄で現在の方式を確認する
5. 違っていれば「株式数比例配分方式」を選んで申し込む


実際の画面がこちらです。
「配当金受領サービス」の欄に、現在の方式がそのまま表示されます。
この画面でひとつ紛らわしいのが、すぐ上に並んでいる「配当等通算受入(自動損益通算)」という項目です。
こちらは配当を特定口座に受け入れて譲渡損と通算するための設定で、受取方式とは別物です。
変更するのは下の「配当金受領サービス」のほうです。
また、すぐ下には貸株サービスの欄があります。
後で触れる貸株の注意点にも関わってくるので、受取方式を直したついでに、貸株を使っているかどうかもこの画面で確認しておくと二度手間になりません。
スマートフォンアプリからは変更できない場合があります。
アプリで見当たらないときは、ブラウザでWEBサイトにログインしてください。
楽天証券での設定・確認手順
楽天証券では、ログイン後に「マイメニュー」→「申込が必要なお取引」→「国内株式」→「国内株式配当金受取方法」の順に進むと、現在の設定を確認・変更できます。
楽天証券で選べるのは、証券口座での受取(株式数比例配分方式)、郵便局等での受取(配当金領収証方式)、銀行口座等での受取(登録配当金受領口座方式)の3種類です。
個別銘柄指定方式は用意されていません。
楽天証券の設定手順
1. 楽天証券にログインする
2. 画面右上の「マイメニュー」を開く
3. 「申込が必要なお取引」→「国内株式」と進む
4. 「国内株式配当金受取方法」で現在の方式を確認する
5. 違っていれば「証券口座でのお受取り(株式数比例配分方式)」を選んで変更する


この画面の見出しは「ほふり(証券保管振替機構)登録情報/更新日」となっていて、現在の方式と一緒に最後に更新された日付も表示されます。
受取方式が証券会社ではなくほふりで管理されている情報であることが、この表記からも読み取れます。
| SBI証券 | 楽天証券 | |
|---|---|---|
| 設定画面の場所 | My設定 → お取引関連・口座情報 → 配当金受領サービス | マイメニュー → 申込が必要なお取引 → 国内株式 → 国内株式配当金受取方法 |
| 選べる方式 | 4種類 | 3種類(個別銘柄指定方式なし) |
| 選ぶ項目の名前 | 株式数比例配分方式 | 証券口座でのお受取り(株式数比例配分方式) |
| ほふり更新までの日数 | 数営業日 | 通常3〜4営業日 |
証券会社によっては口座開設の時点で株式数比例配分方式が初期設定になっていることもあるため、まずは現状がどうなっているかを見にいくところから始めるのが確実です。
どちらの証券会社を使っているかで迷っている段階なら、SBI証券と楽天証券の比較もあわせて参考にしてください。
見落としやすい5つの注意点
設定そのものは簡単ですが、タイミングや適用範囲で勘違いしやすい点がいくつかあります。
順に見ていきます。
① 変更は「権利確定日まで」に間に合わせる
受取方式の変更は、証券保管振替機構(通称ほふり)への登録が完了して初めて有効になります。
ほふりは、上場株式の保有者情報を一元管理している機関です。
誰がどの銘柄を何株持っているかという記録は、証券会社ではなくここにまとまっています。
配当の受取方式もこの機関に登録される情報のひとつです。
ほふりでの更新が完了するまでには数営業日かかるため、申し込んだその日から切り替わるわけではありません。
権利確定日を過ぎてから登録した場合、その回の配当はNISA口座で保有している株であっても非課税になりません。
楽天証券では「変更手続後、ほふりでの更新が完了されるまで、通常3〜4営業日かかります」と案内されているので、権利確定日の1週間前までに済ませておくと安全です。
3月末や9月末の権利確定日が近いときほど、余裕をみて動いておきたいところです。
権利確定日そのものの調べ方は、配当金はいつ入るかの記事で詳しく整理しています。
② NISA口座だけを別の方式にはできない
受取方式は口座ごとに分けて設定できません。
NISA口座は比例配分方式、特定口座は銀行受け取り、といった使い分けは不可能です。
選んだ方式が、特定口座・一般口座・NISA口座のすべてに一律で適用されます。
裏を返せば、一度この設定を済ませておけば、後からNISA口座で買った株についても自動的に条件を満たすことになります。
③ 1社で変更すると、すべての証券会社に適用される
①で触れたとおり、受取方式の登録は証券会社ごとではなくほふりで一元管理されています。
そのため1社に対して株式数比例配分方式を申し込むと、他の証券会社で保有している銘柄も含めて、すべてに同じ方式が適用されます。
SBI証券と楽天証券を併用している場合でも、どちらか一方で設定すれば両方に効きます。
2社ぶん手続きをする必要はありません。
ただし「片方だけ銀行受け取りにしておく」という使い分けもできない点は、あわせて覚えておいてください。
④ 貸株に出している株の配当は「配当金相当額」になる
証券会社に株を貸し出して金利を受け取る貸株サービスを使っている場合、貸出中の株から支払われるのは配当金ではなく「配当金相当額」という別の扱いのお金になります。
受け取る金額は税引後の配当と同額ですが、税務上は配当所得ではなく雑所得に分類されます。
雑所得になると、配当控除が使えず、株式の譲渡損との損益通算もできません。
他の所得と合わせて年間20万円を超える場合は確定申告が必要になることもあります。
なお、NISA口座で保有している株式はそもそも貸株サービスの対象外です。
そのため「貸株のせいでNISAの非課税が消える」ということは起こりません。
注意が要るのは課税口座のほうで、高配当株を貸株に出していると配当の税務上の扱いが変わる、という話です。
⑤ 米国株の配当は、この設定では非課税にならない
株式数比例配分方式で非課税になるのは、国内上場株式の配当です。
米国株の配当には現地で10%の源泉税がかかり、これはNISA口座でも差し引かれます。
日本の20.315%はNISAならゼロになりますが、現地の10%は残ります。
通常の課税口座であれば確定申告の外国税額控除で一部を取り戻せますが、NISA口座は日本の税金がそもそもゼロのため、この控除は使えません。
米国株に限っては「10%は必ず引かれる」と考えておくのが実際に近い理解です。





1社で設定したら全部に効くというのは、知らんかったら二度手間になるところやったな。





逆に言うと、他社で昔に銀行受け取りを選んでたら、今使ってる証券会社にもそれが効いてしまってるということでもあるな。
口座を長く持ってる人ほど、一回は現状を見にいっといたほうがええで。
設定できているかを確認する2つの方法
設定した気になっていて実は変わっていなかった、というのが一番避けたいパターンです。
確認の方法は2つあります。
ひとつは設定画面での確認です。
SBI証券なら「My設定」の「配当金受領サービス」欄、楽天証券なら「マイメニュー」の「国内株式配当金受取方法」に、現在選択されている方式が表示されます。
ここでひとつ、引っかかりやすい点があります。変更を申し込んだ直後に画面を見ても、まだ変更前の方式が表示されたままです。
楽天証券の画面には「更新が完了するまでは、変更手続き前の方法が表示されています」と注意書きが出ています。
表示されているのはほふりの登録情報であって、申込の受付状況ではないからです。
つまり、変更した直後に古い方式が出ていても失敗ではありません。
ここで慌てて何度も申し込む必要はなく、3〜4営業日ほど待ってからもう一度開くのが正解です。
楽天証券は方式と並べて更新日が表示されるので、その日付が新しくなっていれば反映済みだと判断できます。
SBI証券の画面は方式だけの表示なので、日をあけて見直す形になります。
もうひとつは、実際に入金された配当で確かめる方法です。
配当が証券口座に入金されていれば、比例配分方式で受け取れている証拠になります。
配当金計算書で、NISA預りの銘柄の税額が0円になっているかも合わせて確認できます。
銀行口座に振り込まれていたり、自宅に配当金領収証が郵送されてきたりする場合は、設定が別の方式のままです。
口座を開いた直後にやっておくべき設定は他にもあります。証券口座とは?の記事に最初にやることをまとめているので、開設したばかりならそちらから順に進めるのが早いです。
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よくある質問(FAQ)
Q1. 設定を変更したら、過去に引かれた税金は戻ってきますか?
戻ってこーへんな。
変更が効くのは次回以降の配当からや。
過去に課税された分は、そのままになる。
やから気づいた時点で早めに直しといたほうがええで。
Q2. 単元未満株(S株・かぶミニ)の配当も対象ですか?
対象や。
1株だけ持ってる場合でも、保有株数に応じた配当が証券口座に入ってくるで。
単元未満株はもともと証券会社を通して保有する形やから、この設定はむしろ相性がええな。
Q3. 銀行口座で受け取りたいのですが、非課税との両立はできませんか?
両立はできへんな。
NISAの非課税に対応してるのは株式数比例配分方式だけや。
NISAを使いながら生活口座に移したいなら、証券口座で受け取ってから出金する形になる。
ただしNISAを使う予定がないなら、登録配当金受領口座方式で銀行にまとめるのは十分アリな選択やで。
Q4. NISA口座を開設すれば自動的に設定されますか?
証券会社によるから、開設しただけで安心せんほうがええな。
口座開設時に比例配分方式が初期設定になってるところもあるけど、過去に他社で別の方式を選んでたら、そっちが優先されてる場合もある。
一回だけ設定画面を見にいって、目で確かめるのが確実や。
まとめ|最初の5分で、毎年の手取りが変わる
配当の受取方法は、投資を始めるときに一度だけ決めればいい設定です。
それでいて、選び方を間違えるとNISAの非課税がまるごと効かなくなります。
作業としては地味ですが、効果は保有を続けるかぎり毎年くり返し働きます。
この記事のポイント
・株式数比例配分方式=配当を証券口座で受け取る方式
・NISAの配当を非課税にできるのは、この方式だけ
・課税口座だけで使うなら、銀行にまとまる登録配当金受領口座方式も選択肢
・受取方式は口座別に分けられず、全口座に一律で適用される
・1社で申し込めば、他の証券会社の保有分にも適用される
・登録には数営業日かかる。
権利確定日の1週間前までに済ませる
・米国株の現地源泉税10%と、貸株の配当金相当額は対象外
高配当株を実際にいくらから始めるかについては、高配当株はいくらから始められる?で30万円を目安にする理由を整理しています。
まぐのメモ
配当の受取方法なんて、どれを選んでも同じやと思ってた。
実際、受け取る金額そのものは変わらへん。
変わるのはNISAの非課税が効くかどうかだけで、そこを外すと年20%が静かに引かれ続ける。
厄介なのは、間違っててもエラーが出るわけやないところ。
銀行に配当が振り込まれてても、それはそれで正常に動いてるように見える。
気づくきっかけが無いまま何年も過ぎることがあるんよな。
やることは設定画面を開いて、選択されてる方式を目で見るだけ。
5分もかからん。
一回やっといたら、あとは持ち続けるかぎりずっと効いてくれる。
こういう「最初の一回だけ効く実務」は、思い出したときにまとめて済ませておくのがいちばん楽やと思う。




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