2026年8月31日(月)から9月4日(金)までの相場を振り返ります。
先週の振り返りはこちらです。
- 今週の結論
- 今週の主要指数
- 日経平均(−2.09%)|水曜に1,889円安、金曜に806円高
- TOPIX(−1.05%)|9連騰のあと、水曜に崩れた
- 東証グロース市場250指数(−3.20%)|日本の金利上昇に最も弱かった
- S&P500(+0.09%)|週の前半に下げ、後半に取り返した
- NYダウ(−0.27%)|大型ハイテクが揃って売られた
- NASDAQ(+0.40%)|半導体が支え、ソフトウェアが重かった
- SOX半導体(+2.32%)|メモリと製造装置が買われ、週間でプラスに転じた
- ドル円(−2.48%)|160円台から156円台へ
- WTI原油(+9.66%)|火曜に+5.20%と急騰した
- 今週のテーマ①:良い経済指標が、株にとっては悪い知らせになった
- 今週のテーマ②:金曜の806円高は、2銘柄で作られていた
- まぐのメモ:指数が戻っても、持ち株が戻ったとは限らない
- 今週のまとめ
- よくある質問(FAQ)
- 前後の相場振り返りもチェック
今週の結論
日経平均は週間−2.09%。
4日下げて、金曜だけ戻す一週間でした。
火曜に日本の長期金利が30年ぶりに3%を超え、水曜は1,889円安。
東証プライムの92%の銘柄が下落しました。
株価を動かしていた要因の一つは金利です。
日本株は長期金利が3%に乗ったことで売られ、米国株は利上げ観測が強まったり弱まったりするたびに上下に振られました。
全体的には下げるときは全部下がったのに、戻すときは一部しか戻りませんでした。

金利で上がったり下がったり、忙しい週やったな。





そやな。
金利の上下は株価に影響するからな。
今週の主要指数
まず株価指数を、週間の騰落率が大きい順に並べます。
| 株価指数 | 週間騰落率 | 終値 |
|---|---|---|
| SOX半導体 | +2.32% | 11,735.26 |
| NASDAQ | +0.40% | 26,506.99 |
| S&P500 | +0.09% | 7,718.60 |
| NYダウ | −0.27% | 53,414.25 |
| TOPIX | −1.05% | 4,103.23 |
| 日経平均 | −2.09% | 65,020.94 |
| 東証グロース市場250指数 | −3.20% | 796.82 |
原油と為替はこちらです。
| 原油・為替 | 週間騰落率 | 終値 |
|---|---|---|
| WTI原油 | +9.66% | 91.46ドル |
| ドル円 | −2.48% | 156円22銭 |
今週いちばん動いたのは、株価指数ではなく原油(+9.66%)でした。
ドル円も−2.48%です。
日経平均(−2.09%)|水曜に1,889円安、金曜に806円高


週の動きを日ごとに並べると、こうなります。
| 日付 | 終値 | 前日比 | この日の材料 |
|---|---|---|---|
| 8月31日(月) | 66,311.94 | −0.14% | — |
| 9月1日(火) | 66,215.31 | −0.15% | 長期金利が30年ぶりに3%を超える |
| 9月2日(水) | 64,325.64 | −2.85% | 金利3.015%と原油高で全面安 |
| 9月3日(木) | 64,214.48 | −0.17% | 日米とも金利が低下に転じるも、原油高と韓国株安で続落 |
| 9月4日(金) | 65,020.94 | +1.26% | 米利上げ観測の後退と半導体高で5日ぶり反発 |
水曜の1,889円安は、東証プライムの値下がり銘柄が1,436と全体の92%に達した日でした。
売買代金の上位50銘柄で上がったのは、1銘柄だけでした。
東証33業種は、すべての業種が下落しました。
日経平均を押し上げた銘柄もありましたが、上位5銘柄を合わせて約11円ぶん。
押し下げた上位5銘柄は約875円ぶんでした。
翌木曜、日経平均は−0.17%とほとんど動きませんでしたが、その裏で商社が買われました。
バークシャー・ハサウェイのアベルCEOが、日本の大手商社5社の株を今後何十年も持ち続ける方針を示したことが伝わり、三菱商事が+4.09%、住友商事が+3.02%、伊藤忠商事が+2.55%と、5社が揃って上げた日でした。
日本の10年債利回りは水曜の2.990%から、木曜2.947%、金曜2.890%と2日かけて下がりました。
米国も同じ木曜から低下に転じました。
そこへ木曜の夜、FRBのウォラー理事が利上げに慎重な姿勢を示しました。
米国の利上げ観測が後退して米国株が大きく上がり、金曜の東京市場はそれを受けて買いが先行しました。
一方、金曜の806円高は上げ幅の8割以上がソフトバンクグループとアドバンテストの2銘柄によるものでした。
どの業種が上がって、どの業種が下がったかは後の章で見ます。
TOPIX(−1.05%)|9連騰のあと、水曜に崩れた


火曜まで9営業日続伸していました。
それが水曜に−2.40%と下げ、連騰が止まりました。
金曜は+0.03%とほぼ横ばいでした。
日経平均が+1.26%だったのに対して伸びなかったのは、円高が重石になったからです。





金曜、日経平均はそれなりにプラスやったのに、TOPIXは戻ってへんね。





そらそうやで。
金曜に買われたのは半導体とソフトバンクGとかで、TOPIXはそれ以外の銘柄が多いからな。
しかも円高で輸出まわりが動きにくかった。
それでもTOPIXは8月14日の高値から2.2%下にとどまっています。
日経平均が6月25日の高値から10.2%下にいるのと比べると、下げ方はゆるやかです。
東証グロース市場250指数(−3.20%)|日本の金利上昇に最も弱かった


4日続落して、週間では株価指数7つのなかで最も下げました。
金曜は+2.67%と戻しました。
金利が上がると、利益がまだ小さい会社ほど負担が重くなります。
借入のコストが増えるうえに、将来の利益を今の価値に置き直したときの目減りも大きくなるためです。
グロース市場にはそういう会社が多く、日本の長期金利が3%に乗った週に、いちばん大きく売られたのがこの市場でした。





グロースがいちばん下げたんはなんでなん?





日本の金利が上がると、利益がまだ小さい会社ほど厳しくなるからやな。
借入のコストも上がるし、将来の利益を今の価値に直したときの目減りも大きい
S&P500(+0.09%)|週の前半に下げ、後半に取り返した


原油高、金利高で月曜と火曜で1.0%下げたあと、水曜と木曜で取り返しました。
金曜は雇用統計を受けて−0.38%と下げ、週間ではほぼ変わらずで終えました。
8月13日の高値からは1.1%下の水準です。
NYダウ(−0.27%)|大型ハイテクが揃って売られた


月曜と火曜で1.5%下げたあと、水曜と木曜で持ち直し、木曜の時点では週間でプラスでした。
それが金曜に−0.51%下げ、週間ではマイナスに転じました。
金曜のニューヨーク市場では、30銘柄のうち上げたのが7銘柄だけでした。
アップル、マイクロソフト、アルファベットといった大型ハイテクが揃って売られました。
NASDAQ(+0.40%)|半導体が支え、ソフトウェアが重かった


火曜に−1.03%と下げたあと、水曜と木曜で2日続けて上げ、木曜は+1.40%でした。
金曜は−0.29%とわずかな下げでしたが、半導体が買われる一方でソフトウェア関連が売られました。
米国の金利が上がると、遠い先の利益を見込んで買われている株ほど売られます。
ソフトウェアはその側です。
半導体はいま設備投資が動いている話なので、金利が上がっても注文が減るわけではありません。
同じハイテクでも値動きが分かれたのは、このためです。
SOX半導体(+2.32%)|メモリと製造装置が買われ、週間でプラスに転じた


火曜に−2.14%と下げたあと、水曜と木曜はほとんど動かず、木曜の時点では週間でマイナスでした。
それが最終日に+3.37%上がり、週間でプラスに転じました。
買われたのは半導体のなかでもメモリと製造装置です。
KLAが+7.32%、マイクロン・テクノロジーが+6.10%で、マイクロンは1株1,000ドルを超えました。
材料のひとつが、木曜にChatGPTを運営するOpenAIが新しいAIモデルを公開したことです。
AIの利用が増えれば半導体の需要も増える、という見方につながりました。





アメリカの株が全体的に下がった金曜日に、半導体だけ上がってるな。





そうなんよ。
週の半ばまでは、SOXがアメリカの指数でいちばん弱かった。
それが最終日の1日でひっくり返った。
ただし、SOXは6月の高値からまだ2割以上下にいます。
1週間の上げで戻りきる水準ではありません。
ドル円(−2.48%)|160円台から156円台へ


先週末のニューヨーク終値160円20銭から、今週末は156円22銭まで円高が進みました。
金曜のニューヨーク市場では、いったん156円75銭までドルが買われたあと、155円34銭まで下げる場面がありました。
雇用統計が強かったことでドルが買われ、そのあと日銀の利上げ観測と、円安を止める介入への警戒から円が買い戻されました。
終値は156円22銭でした。
WTI原油(+9.66%)|火曜に+5.20%と急騰した


米国がイランへの空爆を開始し、火曜に+5.20%と急騰しました。
木曜には一時93.1ドルまで買われました。
原油が上がるとインフレへの警戒が強まり、それが日米の長期金利を押し上げます。
水曜の全面安は、原油高から金利上昇へとつながった結果でもありました。
今週のテーマ①:良い経済指標が、株にとっては悪い知らせになった
金曜の夜、米国の8月雇用統計が発表されました。
結果は、事前の予想を大きく上回るものでした。
| 項目 | 実績 | 事前予想 |
|---|---|---|
| 非農業部門雇用者数 | +16.2万人 | +5.5万人 |
| 失業率 | 4.1% | 4.1% |
| 平均時給(前年比) | +3.1% | +3.1% |
雇用者数は予想のおよそ3倍。
さらに7月分が−2.3万人から+2.1万人へ、6月分も上方修正され、2か月合わせて5.5万人ぶん上振れました。
景気が強いという数字です。
それを受けて、株は下がりました。





景気がええのに株が下がるんは、なんかおかしい感じがするな





せやろ。
けど利上げが意識されてる場面では、これが普通なんよ。
景気が強い=物価が上がりやすい=利上げが必要、と読まれるからな
同じことは日本でも起きていました。
火曜に長期金利が3%を超えたのは、日銀が利上げのペースを上げると市場が読んだからです。
景気や物価が強いという判断が、株にとっては重しになりました。
今週のテーマ②:金曜の806円高は、2銘柄で作られていた
金曜の日経平均は806円高。
数字だけ見れば、大きく戻した日です。
ただ、この日の日経平均を構成する225銘柄を数えると、こうなっていました。
| 区分 | 銘柄数 |
|---|---|
| 値上がり | 86 |
| 値下がり | 137 |
| 変わらず | 2 |
値下がりした銘柄の方が51銘柄多いのに、指数は806円上がりました。
押し上げたのは2銘柄でした。
ソフトバンクグループが1銘柄で約473円、アドバンテストと合わせて669円ぶん。
日経平均の上げ幅806円のうち、8割以上がこの2銘柄によるものです。





ということは、持ってる株の多くは戻ってへんわけやな





そういうことになるな。
指数は戻っても、下げたままの銘柄の方が多い。
東証33業種のうち、金曜に上がったのは11業種でした。
上げ幅の大きい順に5つ並べます。
| 上がった業種 | 騰落率 |
|---|---|
| 情報・通信業 | +3.55% |
| 証券・商品先物取引業 | +2.12% |
| 非鉄金属 | +1.61% |
| 空運業 | +1.12% |
| 電気機器 | +0.99% |
下げ幅の大きい順に6つはこちらです。
| 下がった業種 | 騰落率 |
|---|---|
| 鉱業 | −2.83% |
| 海運業 | −2.38% |
| 水産・農林業 | −2.35% |
| 電気・ガス業 | −2.35% |
| 医薬品 | −2.15% |
| 卸売業(商社) | −2.01% |
上げ幅が突出したのは情報・通信業で、ソフトバンクグループが属する業種です。
アドバンテストの電気機器も+0.99%と上げました。
売られたのは商社(卸売業)や鉱業、海運業といった、高配当株でよく名前の挙がる業種でした。
ただし銀行業は+0.27%、保険業は+0.13%と、わずかながらプラスで終えました。
ここ数週間、TOPIXは9営業日続伸するなど堅調でした。
その一方で半導体は6月の高値から2割以上下にいます。
好調だった側から、出遅れていた側へ、一日だけ資金が動いたように見えた日でした。





これ、来週も続くんやろか?





それは分からんな。
金曜に買われた理由は、FRB理事の発言と、ChatGPTのOpenAIが新しいモデルを出したという話や。
どっちもその日限りかもしれん。
1日の動きで流れが変わったとは言えん。
まぐのメモ:指数が戻っても、持ち株が戻ったとは限らない
今週いちばん引っかかったのは、金曜でした。
日経平均が806円高というのは、数字だけ見れば安心する材料です。
けれど日経平均を構成する225銘柄のうち137が下げていて、上げ幅の8割は2銘柄によるものでした。
指数を見て「戻った」と思っても、持っている株が戻っているとは限りません。
水曜の下げは92%の銘柄に及びました。
下げは広く、戻りは狭い。
銘柄を分散して持っているほど、下げは全部くらって、戻りは一部しか受け取れません。
日米どちらの金利も動いた週は、下げが広くて戻りが狭くなりやすいと感じています。
相場全体が金利で振られる場面では、資金は限られたところに向くからです。
来週は9月11日に、米国の8月消費者物価指数(CPI)が発表されます。
その翌週にはFOMCが15日から16日、日銀の金融政策決定会合が17日から18日に控えています。
FOMCでは利上げと据え置きの見方が分かれていて、CPIの数字がその分かれ目を動かします。
今週の株価を動かしたのは金利でした。
来週もそこは変わらないと思っています。
金利がどちらに動くかは読めません。
読めないものを当てにいくより、下げた日に何が下げたかを見ておく。
その方が、次に同じ形が来たときに慌てずに済むと思っています。
今週のまとめ
① 日経平均は週間−2.09%。
水曜に1,889円安、金曜に806円高と、金利に振られる一週間でした。
② 火曜に日本の長期金利が30年ぶりに3%を超え、水曜には3.015%まで上昇。
株が売られる直接の原因になりました。
③ 金曜の米雇用統計は予想の約3倍。
良い経済指標が、利上げ観測を通じて株には重石になりました。
④ 金曜の806円高は、8割以上がソフトバンクグループとアドバンテストの2銘柄によるものでした。
⑤ ドル円は160円台から156円台へ。
日銀の利上げ観測と介入への警戒が円を押し上げました。
下げは広く、戻りは狭い。
指数の数字だけでは、その差は見えません。
よくある質問(FAQ)
Q1. 日本の長期金利が3%になると、株はなぜ下がるのですか?
借金のコストが上がるからやな。
会社は利息の負担が増えるし、それに国債で3%もらえるなら、わざわざ株を持たんでもええという人も出てくる。
その両方で株が売られやすくなるんや。
Q2. 高配当株にとっては、金利上昇は悪い話ですか?
短い目で見たら株価には向かい風やな。
ただ配当そのものが減るわけやない。
持ってる株の配当が減ったんかどうかが本題で、株価が下がったことそのものやないと思ってる。
Q3. 金曜に半導体が上がったのは、買い時ということですか?
うちはそういう見方はせえへん。
1日の動きやし、買われた理由もFRB理事の発言とOpenAIの新モデル公開で、続くかどうかは分からん。
値段が動いたこと自体は、買う理由にはならんと思ってる。
Q4. 円高は日本株にとって悪いことですか?
輸出の会社には向かい風やな。
海外で稼いだお金が円に直すと目減りするからや。
逆に輸入が多い会社や、原材料を海外から買うてる会社には追い風になる。
持ってる銘柄によって向きが変わる話や。
Q5. 来週は何を見ればいいですか?
まずは11日の米CPIやな。
ここで物価が高いままやと、再来週のFOMCで利上げの見方が強まる。
日本の長期金利が3%に居座るかどうかも、そこに引っ張られる。
金曜に上がった半導体が続くかどうかも、結局そこ次第やと思うで。
前後の相場振り返りもチェック
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