高配当株のポートフォリオに新しく1銘柄を足すとき、何を見て決めるか。
この記事は、実際にやった記録です。
その材料にしているのが、月に一度まとめている高配当株ランキングです。
東証の全銘柄から配当利回り3.5%以上を拾い、時価総額・ROE・自己資本比率・配当性向でふるいにかけて、残った銘柄を財務8項目で採点して並べたものです。
noteで公開していて、無料で最後まで読めます。
ただ、このランキングは候補のリストであって、買う順番ではありません。
30銘柄をすでに持っている状態で1つ足すとなると、上から順に見ていっても答えは出ませんでした。
結論から書くと、選んだのは利回りがいちばん高い銘柄ではありません。
持っていない業種から選びました。
📝 この記事でわかること
✅ 30銘柄17業種のうち、今月のランキング50銘柄と重ねて空いていた業種は2つだけ
✅ 小売業のサンドラッグ(9989)を新しく3株買って18業種目に
✅ 利回り5.06%の証券会社を見送った理由は、営業キャッシュフローが10年のうち7年マイナスだったから
✅ 株数は金額ではなく、1銘柄の配当が全体の5%を超えないように決めている
✅ サンドラッグは増配で入ってきたのではなく、株価が下がって利回りが基準に届いた銘柄
✅ 次からは1銘柄しかない業種に2銘柄目を足すことも候補に入れる(18業種のうち5業種)
結論|足すのは「利回りが高い銘柄」ではなく「持っていない業種」
すでに30銘柄を持っている状態で1銘柄を足すなら、見る順番はこうなります。
① 自分のポートフォリオに、どの業種が入っていないかを調べる
② その業種の銘柄が今月のランキングにいるかを見る
③ いたら、中身を確かめて買うかどうかを決める
利回りの高い順に上から見ていくと、すでに持っている業種の銘柄ばかりが目に入ります。
同じ業種を厚くしても、配当が減るときは一緒に減ります。
先に見るのは、埋まっていない場所の方です。

ランキングの1位から順に見ていくもんやと思てたわ。





新しく買い始めるときはそれでええんよ。
ただ30銘柄まで組んだあとは、足りてないところを埋める作業に変わる。
同じ業種を3つ4つと重ねても、分散は増えへんからな。
まず、自分のポートフォリオを開く
実録連載で買った30銘柄を、業種で並べ直したものです。
| 業種 | 銘柄 |
|---|---|
| 建設業 | ショーボンドHD/ライト工業 |
| 卸売業 | イエローハット/ドウシシャ |
| 化学 | アイカ工業/サカタインクス |
| 医薬品 | ツムラ/第一三共 |
| 機械 | アマノ/日立建機 |
| 情報・通信業 | システナ/NSD |
| 金属製品 | 三和HD/文化シヤッター |
| ゴム製品 | TOYO TIRE/ブリヂストン |
| サービス業 | ジェイエイシーリクルートメント/トランス・コスモス |
| 不動産業 | ヒューリック/東急不動産HD |
| その他金融業 | 全国保証/アコム |
| 輸送用機器 | 東海理化電機製作所/デンソー |
| 陸運業 | サカイ引越センター/鴻池運輸 |
| 倉庫・運輸関連業 | 上組 |
| 精密機器 | タムロン |
| その他製品 | オカムラ |
| 電気機器 | キヤノン |
30銘柄で17業種です。
組んだときに「同じ業種は2銘柄まで」と決めていたので、自然と業種が散る形になっています。
今月のランキングと重ねる
9月号では、ふるいを通った銘柄を50位まで載せています。
その50銘柄の業種と、上の17業種を突き合わせます。
持っていない業種は、2つしかありませんでした。
| 業種 | 候補 | 順位 | スコア | 利回り |
|---|---|---|---|---|
| 小売業 | サンドラッグ(9989) | 11位 | 19/20 | 3.53% |
| 証券、商品先物取引業 | JIA(7172) | 35位 | 16/20 | 5.06% |
利回りだけを見ると、下のJIAの方が1.5ポイント高くなっています。
2銘柄とも中身を確かめました。
小売業|サンドラッグの10年
先に結論を書くと、買ったのはこの銘柄です。
10年ぶんの数字はこうなっていました。
| 項目 | 10年前 | 直近 | 判定 |
|---|---|---|---|
| 1株配当 | 60円 | 132円 | 一度も減配なし |
| 売上高 | 5,642億円 | 8,760億円 | 10年連続で増加 |
| EPS | 212円 | 275円 | 増加 |
| 営業キャッシュフロー | 282億円 | 433億円 | 10年すべてプラス |
| 営業利益率 | 6.4% | 5.6% | 10年平均5.7% |
財務8項目のうち、○がついたのは④営業利益率だけでした。
残り7項目は◎です。
営業利益率が5%台なのは、ドラッグストアという業態そのものの数字です。
薄い利幅を回転数で稼ぐ商売なので、ここが10%を超えることはまずありません。
大事なのは、その薄い利益率が10年ぶれずに続いていて、営業キャッシュフローが一度もマイナスになっていないことの方です。
自己資本比率60.1%、ROE11.3%、配当性向48.8%。
配当を増やす余力も残っています。
ただし、増配で上がってきた銘柄ではない
ここは正確に書いておきます。
サンドラッグは7月号にも8月号にも入っていませんでした。
どちらも配当利回りが3.5%に届かず、入口で落ちていたからです。
| 時点 | 株価 | 1株配当 | 利回り |
|---|---|---|---|
| 6月30日 | 3,805円 | 132円 | 3.47% |
| 7月31日 | 3,780円 | 132円 | 3.49% |
| 8月29日 | 3,740円 | 132円 | 3.53% |
配当は132円のまま動いていません。
株価が2か月で1.9%下がったぶんだけ、利回りが3.5%を超えたという順序です。
つまり、急に良くなった会社ではありません。
前から良かった会社の値段が、買える利回りまで下りてきたということです。





ぎりぎりで入ってきたってことは、来月には消えてるかもしれんな。





3.53%やから、株価が1%戻るだけで3.5%を割る。
ただランキングから消えることと、持ってる株が悪くなることは別やで。
買ったあとの利回りは買った値段で決まるから、そこは動かへん。
利回りが高い方を見送った理由
JIA(7172)証券・商品先物取引業/利回り5.06%
配当は10年で5.59円から108円まで増えています。
直近も27円→87円→108円と伸びていて、中間配当と期末配当の両方が増えているので、一回きりの特別配当でもありません。
引っかかったのは、営業キャッシュフローの方です。
取得できた9年ぶんのうち、7年がマイナスでした。
マイナス489億円、マイナス230億円という年もあります。
EPSも109円→95円→80円→60円→91円→48.5円と、上下に大きく振れています。
航空機リースの案件を組んで販売する事業なので、案件用の資産を仕入れた年は営業キャッシュフローがマイナスに出ます。
業態としての説明はつきます。
ただ、この連載でやっているのは安定した配当を長く受け取ることです。
本業のキャッシュがマイナスの年が9年で7回ある会社を、その目的で持つのは違うと判断しました。
自己資本比率も25.0%です。





5%の利回りを見送るのは、もったいない気もするけどな。





利回りが高いのには理由がある、というやつやな。
ここで5.06%を取りに行くか、3.53%で10年減配ゼロを取るかの選択になる。
この連載は後者を選び続けてきたから、今回もそっちにしたということや。
何株買うかは、配当から決める
買うと決めたあと、株数を決める基準は前回と同じです。
金額ではなく、1銘柄から受け取る配当が全体の5%を超えないようにします。
いま受け取る配当は、税引前で年間12,293円です。
サンドラッグを3株買うと、配当は132円×3株で396円増えます。
| 項目 | 買う前 | 買ったあと |
|---|---|---|
| 年間配当(税引前) | 12,293円 | 12,689円 |
| 5%のライン | 615円 | 634円 |
| サンドラッグの配当 | ― | 396円(全体の3.12%) |
| 小売業からの配当 | 0円 | 396円(全体の3.12%) |
1銘柄で5%以内、1業種で10%以内。
どちらも余裕があります。
3株にしたのは、他の銘柄がだいたい1万円前後で揃っているからです。
注文の出し方|寄付を選ぶ
単元未満株で買うので、注文の出し方に一つだけ注意点があります。
楽天証券の「かぶミニ」とSBI証券の「S株」の違いは、こちらで比べています。
▶ 単元未満株はSBI証券「S株」と楽天証券「かぶミニ」どっち?【高配当株の始め方】
楽天証券の単元未満株には、リアルタイムで買う方法と、翌営業日の寄り付きで買う方法があります。
リアルタイムの方は基準価格に0.22%のスプレッドが乗りますが、寄り付きの注文にはそれがありません。
急ぐ理由がないので、寄り付きの注文にしました。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 銘柄 | サンドラッグ(9989) |
| 数量 | 3株 |
| 注文条件 | 寄付(9月2日) |
| 価格 | 成行 |
| 口座 | 特定口座 |
| 概算代金 | 11,127円 |
| 手数料 | 0円 |
実際に買った記録
9月2日の寄り付きで約定しました。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 約定日 | 2026年9月2日 |
| 約定単価 | 3,728円 |
| 数量 | 3株 |
| 約定代金 | 11,184円 |
| 手数料 | 0円 |
| 年間配当(税引前) | 396円 |
取得単価3,728円に対して1株配当132円なので、取得利回りは3.54%です。
注文時の概算は11,127円だったので、57円ぶん高く付いた計算になります。
この日の東証の始値は3,728円でした。
約定単価と1円も違いません。
寄り付きの注文なので、リアルタイム取引の0.22%が乗っていないことが数字で確かめられます。
仮にスプレッドが乗っていれば、3株で25円ほど高く付いていました。
これで31銘柄・18業種になりました。
受け取る配当は年間で税引前12,689円、20.315%が引かれた税引後は10,111円です。
| 項目 | 買う前 | 買ったあと |
|---|---|---|
| 銘柄数 | 30 | 31 |
| 業種数 | 17 | 18 |
| 年間配当(税引前) | 12,293円 | 12,689円 |
| 年間配当(税引後) | 9,796円 | 10,111円 |





3.5%ぎりぎりで買うたけど、取得利回りは3.54%で固定なんやな。





そういうことやな。
ランキングの3.53%は8月29日の終値で計算した数字で、買うたのは9月2日の寄り付きや。
数日ずれるだけで少し動くから、ランキングの利回りと自分の取得利回りは別物として見といた方がええ。
まとめ|埋まっていない場所から埋めていく
今回やったことは、3つだけです。
① 自分のポートフォリオを業種で並べて、空いている場所を探した
② その業種の銘柄がランキングにいるかを見た
③ 10年ぶんの数字を確かめて、1つ選んだ
ランキングの上位から買うのではなく、自分に足りていないところから埋める。
これを続けると、業種の広がりと配当の分散が同時に進みます。
利回り5.06%を見送って3.53%を買ったのは、数字の上では損に見えます。
ただ受け取り続けられるかどうかは、利回りではなく10年の中身の方に出ます。
これで18業種になりました。
まだ入っていない業種は、証券・商品先物取引業の1つだけです。
ただ、次に足すのがそこになるとは限りません。
今月見たJIAのように、その業種に条件を満たす銘柄がいるとは限らないからです。
空いているという理由だけで無理に埋めると、選ぶ基準の方が緩みます。
そこで、次からは1銘柄しかない業種も候補に入れます。
組んだときに「同じ業種は2銘柄まで」と決めているので、1銘柄の業種にはまだ枠が残っています。
| 1銘柄だけの業種 | いま持っている銘柄 |
|---|---|
| 倉庫・運輸関連業 | 上組 |
| 精密機器 | タムロン |
| その他製品 | オカムラ |
| 電気機器 | キヤノン |
| 小売業 | サンドラッグ |
18業種のうち、5つがこの状態です。
この5業種に2銘柄目を足す方が、埋まっていない1業種を無理に埋めるより先だと考えています。





今月のランキングやと、倉庫・運輸に渋沢倉庫が39位で入ってるな。
上組の2銘柄目になる位置や。





なるほど、空いてるとこを埋めるだけやなくて、薄いとこを厚くするのもあるんか。
来月はそっちも見てみるわ。
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よくある質問(FAQ)
Q1. なぜ利回りの高い方を買わないのですか?
利回りが高い理由を先に確かめるからや。
今回のJIAでいうと、営業キャッシュフローが10年で7年マイナスやった。
本業で入ってくる現金がマイナスの年が多い会社から、毎年配当をもらい続けられるかというと、そこは読みにくい。
利回りは入口の条件でしかなくて、選ぶときに見てるのは10年ぶんの中身の方や。
Q2. 持っていない業種が無かったら、どうするのですか?
そのときは既存の銘柄の買い増しに回すで。
前回はそれでライト工業を1株足してる。
新規で足すか買い増すかは、業種が空いてるかどうかで決めてるだけや。
埋まってるのに無理やり新しい銘柄を増やす理由はないからな。
Q3. 31銘柄は多すぎませんか?
1銘柄あたりの配当が全体の5%以内におさまってるかで見てる。
いま31銘柄で、いちばん多いアマノでも4.27%や。
数が増えると1銘柄の重みは下がるから、減配が来たときの影響も小さくなる。
管理はスプレッドシート1枚でやってるんで、数が増えて困ることは今のところないな。
Q4. 3.5%ぎりぎりの銘柄を買っても大丈夫ですか?
買ったあとの利回りは、買った値段で決まる。
今回やと取得単価3,728円に対して132円やから3.54%で固定や。
そのあと株価が上がってランキングから消えても、もらえる配当は変わらへん。
気にするのは利回りが3.5%を割ったことやなくて、配当そのものが減ったときやな。
Q5. 業種はどうやって分けているのですか?
東証の33業種をそのまま使てるで。
自分で決めた分類やなくて、公開されてる区分やから誰でも同じ数え方ができる。
ドラッグストアは小売業、商社は卸売業、みたいに機械的に決まるんが使いやすいところやな。
📈 この用語を使って実際の銘柄を見てみる?
magnikki.comでは、PER/PBR/配当利回り/自己資本比率/連続増配など、当サイトで解説してる用語を活用して10年データで高配当銘柄を徹底分析してます。
✅ KDDI(9433)|24期連続増配・利回り3.08%
✅ NTT(9432)|15期連続増配・利回り3.5%
✅ アサヒGHD(2502)|18期連続増配・利回り3.4%
✅ 日本製鉄(5401)|PBR0.56・利回り4-5%
✅ JT(2914)|配当利回り4%超え
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