
IPOとは、それまで市場で売り買いできなかった会社の株が、はじめて取引所に上場することです。
新規株式公開の略で、上場のときに新しく発行される株や、既存の株主が手放す株を、一般の投資家が買えるようになります。
買える値段は公開価格と呼ばれ、上場の前に決まります。
希望者が多いときは抽選になります。
この記事は、高配当株を長く持って配当を受け取り続ける立場から、IPOをどう扱っているかを整理する記事です。
結論から書くと、IPOには参加していません。
好き嫌いの話ではなく、選び方の仕組みが噛み合わないという理由です。
📝 この記事でわかること
✅ IPO=会社の株がはじめて市場で売り買いできるようになること
✅ 公開価格は上場前に決まり、希望者が多ければ抽選になる
✅ 上場初日に最初についた値段が初値
✅ 上場したての会社には10年の実績がない
✅ このサイトの採点は10年データが前提なので、そもそも点が付けられない

IPOって当たったら儲かるって聞くけど、うちはやってへんの?




やってへんな。
儲かるかどうかの前に、こっちの選び方が使われへんのよ。
10年ぶんの配当と利益を見て点を付けてるから、上場したてやとその材料が無い。
採点表を出しても、ほとんどの欄が空くねん。
IPOとは|市場で売り買いできるようになること
上場していない会社の株は、市場で自由に売り買いできません。
取引所の審査を通って上場すると、誰でも証券会社を通じて売り買いできるようになります。
これがIPOです。
会社の側から見ると、上場には目的があります。
新しく株を発行して資金を集めること、創業者や出資者が持ち株を現金にできるようにすること、上場企業になることで知名度や信用を得ること。
資金を集めるという点では増資と同じ仕組みが使われます。
上場したあとは、決算を定期的に公表する義務が生まれます。
投資家が財務データを見られるようになるのは、この時点からです。
裏を返せば、上場前の数字は簡単には手に入りません。
公開価格と初値は別のもの
IPOでよく出てくる2つの値段を、先に分けておきます。
混ざったまま読むと、話が追えなくなります。
| いつ決まるか | 誰が決めるか | |
|---|---|---|
| 公開価格 | 上場の前 | 会社と主幹事の証券会社が需要を見て決める |
| 初値 | 上場の初日 | 市場で最初に売買が成立した値段 |
公開価格は、投資家の需要を聞き取ったうえで決められます。
この聞き取りをブックビルディングと呼び、個人も希望する株数と値段を出せます。
希望者が多ければ抽選になり、当たった人だけが公開価格で買えます。
上場の初日に最初についた値段が初値です。
公開価格より高くつくこともあれば、下回ることもあります。
どちらになるかは市場が決めるので、事前にはわかりません。




初値が公開価格より高うなりやすい、って言われてるのはなんでなん?




公開価格は売れ残らんように決める必要があるからな。
強気に付けすぎて買い手がつかへんかったら、上場そのものが危うなる。
ただ「高くなりやすい」は「必ず高くなる」やない。
そこは毎回わからんもんとして扱うしかないと思ってる。
このサイトの採点では、点が付けられない
銘柄を選ぶときは、10年ぶんのデータを8項目で採点しています。
満点は20点で、配当と利益の項目だけは2倍の重みを付けています。
この表を、上場したばかりの会社に当てはめてみます。
| 採点の項目 | 配点 | 上場したての会社では |
|---|---|---|
| ①1株配当 | 4点 | 10年減配なしを確かめられない |
| ②売上高 | 2点 | 長期の推移が手に入らない |
| ③EPS(1株利益) | 4点 | 長期の推移が手に入らない |
| ④営業利益率 | 2点 | 直近なら見られる |
| ⑤自己資本比率 | 2点 | 直近なら見られる |
| ⑥営業キャッシュフロー | 2点 | 直近なら見られる |
| ⑦現金等 | 2点 | 直近なら見られる |
| ⑧配当性向 | 2点 | 無配なら判定できない |
20点のうち12点分が、そもそも測れません。
しかも測れないのは、いちばん重く見ている配当とEPSの2つです。
残り8点で順位を付けても、それは別の物差しで測った点数になります。
そもそもの入口でも噛み合いません。
候補を拾うときの条件は配当利回りで、上場したての会社は無配か、配当を始めたばかりのことが多い。
採点にたどり着く前に、条件で落ちてしまいます。
IPOが良くない投資だと言っているわけではありません。
10年の配当実績で選ぶという物差しが、上場したての会社には当てられない、というだけです。
身長を測るものさしで体重は量れません。
採点の考え方は高配当株ランキングの作り方にまとめています。




じゃあ、IPOした会社はずっと対象外ってこと?




そうやなくて、順番の話やねん。
上場して何年か経って、配当の実績が積み上がってきたら普通に候補に入ってくる。
実際いま持ってる会社かて、どこかの時点で上場した会社やからな。
待つ場所が違うだけや。
申し込みと抽選のしくみ
参加していないと書きましたが、仕組みは知っておいて損はありません。
証券会社を通じて需要を申告し、希望者が多ければ抽選になります。
当たれば公開価格で買う権利が得られ、外れれば拘束されていた資金は戻ります。
抽選の方式は証券会社ごとに違います。
資金の量に関係なく平等に抽選するところもあれば、独自の仕組みを持つところもあります。
ただし制度は変わるので、申し込む前にその時点の説明を読むことになります。
IPOのために証券口座を増やす、という進め方はここでは扱いません。
口座の選び方は配当を受け取る前提で書いています。
そちらはSBI証券S株の買い方を参考にしてください。
上場したての株で起きやすいこと
上場したばかりの株は、値動きが大きくなりやすい傾向があります。
過去の株価がないので、いくらが妥当かの目安を市場が持っていないからです。
買う人も売る人も、手探りの状態から始まります。
上場前からの大株主には、一定の期間は売らないという約束が付くことがあります。
ロックアップと呼ばれ、期間が明けると売りが出て株価が動くことがあります。
期間の長さは案件ごとに違うので、目論見書で確認することになります。
上場後の最初の決算も、注目される場面です。
上場のときに示した計画に届いているかどうかが、はじめて数字で出てくるからです。
決算の読み方は決算とはに書いています。
まぐのメモ
IPOの抽選に申し込んだことはありません。
当たれば得をする可能性はあるのだと思いますが、当たるかどうかを待つ時間と、当たったあとに売るか持つかを決める手間が、いまの進め方と合いません。
配当が続きそうな会社を淡々と買い増していく方に時間を使っています。
ただ、上場のニュースそのものは見ています。
何年か経って配当の実績が積み上がったときに、候補として出てくる会社があるからです。
いま買う対象ではないけれど、いつか採点する対象にはなる、という距離の取り方をしています。
よくある質問(FAQ)
Q1. IPOの抽選に外れたら、預けたお金はどうなりますか?
そのまま戻ってくるで。
申し込みのあいだは資金が拘束されるから、その期間は他に使えへんだけや。
外れて損が出る、ということはないな。
Q2. IPO株は買った時点で儲かりやすいのですか?
初値が公開価格を上回ることが多い、とはよく言われるな。
ただ「多い」と「必ず」は別もんで、下回る案件も普通にある。
何割が上回るかは年によっても変わるから、決まった数字として覚えん方がいいと思う。
Q3. IPO銘柄を高配当株として買うのはどうですか?
こっちでは選ばへんな。
配当を10年ぶん見て点を付けてるから、実績が無い会社には点が付けられへんのよ。
20点のうち12点が測れんまま買うことになる。
IPOがあかんのやなくて、こっちの物差しが当てられへん、という話や。
Q4. 上場してから何年くらいで候補になりますか?
決めた年数は置いてへんけど、10年の推移が見たいから、それが目安にはなるな。
配当を出し始めて、減配せんと続いてるかどうかを見たいわけやから。
連続増配や累進配当の方針を出してくれてたら、そこも判断の材料になるで。
まとめ
IPOは、会社の株がはじめて市場で売り買いできるようになることです。
上場前に公開価格が決まり、希望者が多ければ抽選になります。
上場初日に最初についた値段が初値で、公開価格を上回ることも下回ることもあります。
このサイトでIPOに参加していないのは、選び方の仕組みが噛み合わないからです。
10年の配当と利益で採点しているので、上場したての会社では20点のうち12点が測れません。
利回りで候補を拾う入口でも、無配や配当を始めたばかりの会社は残りません。
対象にならないのは、いまの時点での話です。
配当の実績が積み上がれば、同じ物差しで測れるようになります。
待つ場所が違うだけだと思っています。
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