株価は、長い目で見れば上がっていくと言われています。
ただ、ご存じのとおり、実際の値動きは上がったり下がったりの繰り返しです。
始めたばかりの年に大きく下がれば、買った金額を割り込むこともあります。
では、株は何年持てば、マイナスにならないのでしょうか。
調べるのに使ったのは、米国の経済学者ロバート・シラー教授が公開している、S&P500とその前身の指数の150年分(1871年1月〜2026年9月)のデータです。
このデータで、「1871年1月に買っていたら」「2月に買っていたら」……と、買った月ごとに、何年持っていたらどうなったかを計算しました。
米国株は、15年持ってもマイナスになったのは1,689回のうち1回だけで、20年持った場合はどの月に買っても一度もマイナスになっていません。
ただし、これは過去の米国株の話です。
また、この計算はお金の額そのもの(名目)で見ていて、物価の上昇(インフレ)は差し引いていません。
物価が上がると同じお金で買える物は減るので、その分を差し引いて見ると、マイナスを避けるにはもっと長く持つ必要があります。
📝 この記事でわかること
✅ 米国株を1年だけ持つと、27.2%がマイナス
✅ 15年持つとマイナスは1,689回中1回(大恐慌の直前の1929年9月に買った場合)
✅ 20年持てば、1871年以降どの月に買っても一度もマイナスなし
✅ 1950年以降に買った場合は、12年持てば一度もマイナスなし
✅ 円で見ると、一度もマイナスがなくなるのは15年(ドルは12年)/為替の動きも成績を大きく左右する
✅ 物価の上昇を差し引くと、一度もマイナスがなくなるのは21年
✅ 何年持てるかは、そのお金を使う日で決まる
結論|米国株は20年持てば、どの月に買ってもマイナスなし
米国株を持った年数ごとに、マイナスになった割合をまとめると次のとおりです。

| 持った年数 | 買った月の数 | マイナスになった割合 | いちばん悪かった年率(買った月) | 年率の中央値 |
|---|---|---|---|---|
| 1年 | 1,857 | 27.2% | −62.3%(1931年6月) | +11.3% |
| 5年 | 1,809 | 10.2% | −17.3%(1929年9月) | +9.8% |
| 10年 | 1,749 | 2.9% | −4.0%(1929年8月) | +8.8% |
| 15年 | 1,689 | 0.1% | −0.4%(1929年9月) | +8.6% |
| 20年 | 1,629 | 0% | +2.0%(1929年9月) | +8.2% |
| 30年 | 1,509 | 0% | +3.6%(1902年6月) | +9.9% |
1年だけ持った場合は、4回に1回以上がマイナスでした。
10年では2.9%、15年では0.1%(1回)、20年では0%です。
持つ期間が長くなるほど、マイナスになる割合は小さくなっていきます。
年率の中央値(すべての買い方を成績の順に並べて、ちょうど真ん中にくる年率)は、1年でも30年でも年+8〜11%台で、大きくは変わりません。
変わるのは、上下へのぶれの大きさの方です。


1年だけ持つと、4回に1回以上(27.2%)はマイナスになってるんよね。
投資を始めた年にいきなり下がるのも、珍しいことやないわけや。





米国株は15年持てばマイナスは1,689回中1回、20年持てば1回もないで。
長く持つほど、買った時期に左右されにくくなるんよ。
どうやって計算したか
使ったのは、米国の経済学者ロバート・シラー教授が公開している米国株のデータです。
S&P総合指数の株価と配当、物価が、1871年から月ごとにそろっています。
S&P総合指数は、1957年からはS&P500、それより前はその前身の指数をつないだもので、米国の大きな会社の株価の動きを表しています。
1871年1月に買った場合、2月に買った場合……と、買った月ごとに、1年後・5年後・10年後などの値と比べ、年率に直しました。
1年持った場合なら1,857通り、20年持った場合なら1,629通りの買い方があります。
データの最後は2026年9月で、持った年数の分だけ先のデータが要るので、1年持った場合は2025年9月、20年持った場合は2006年9月に買った分までを数えています。
配当は受け取らずに再投資した前提で、物価の上昇は差し引いていません(名目)。


途中には大恐慌や金融危機のような大きな下げが何度もありますが、1871年に米国株に置いた1ドルは、2026年9月に約118万ドルになっています。
年率にすると9.4%です。
1年だけだと、4回に1回はマイナス
1年だけ持った場合、マイナスになったのは1,857回のうち506回、27.2%です。
いちばん悪かったのは1931年6月に買った場合で、1年で−62.3%と、およそ6割減りました。
反対に、いちばん良かったのは1932年7月に買った場合の+139.8%です。
1年の成績は、どの月に買ったかでここまで変わります。
リーマンショックの2008年も、この1年の数字に表れています。
リーマンショックの半年前の2008年3月に買って1年持った場合は、−40.9%でした。
1年で見ればマイナスが珍しくないのが株式で、それを前提に何年持つかを考えることになります。
15年で残った1回は、大恐慌の直前
15年持った場合にマイナスになったのは、1,689回のうち1回だけでした。
1929年9月、大恐慌が始まる直前の高値で買った場合で、15年後の年率は−0.4%です。
同じ1929年9月に買っても、20年持てば年+2.0%になっています。
これが、20年持った場合のいちばん悪い成績でした。





15年持ってマイナスやったのは、大恐慌の直前の1929年9月に買った1回だけなんやな。





大恐慌の直前に買っても、20年持てば年+2.0%のプラスに戻ってる。
やから、何年持てるかを先に決めておくんや。
1950年以降に買った場合は、12年でマイナスなし
1950年以降に買った場合だけに絞ると、12年持てば一度もマイナスになっていません。
15年持った場合のいちばん悪い成績は、ITバブルの頂点だった2000年9月に買った場合で、それでも年+3.8%です。
インターネットでよく見る「15年持てばマイナスにならない」という図は、1950年以降や1987年以降のように、大恐慌を含まない期間で作られているものが多いようです。
大恐慌を含めるかどうかで変わります。
1871年からで数えると、一度もマイナスがなくなるのは16年以上持った場合でした。
円で見ると、15年
ここまでは、ドルのままで計算した数字です。
日本から米国株に投資すると、ドルと円の為替の動きも成績に入ってきます。
そこで、同じ米国株を円に直して計算し直しました。
ドル円は、1971年1月からは米国の連邦準備制度理事会の月平均の値を、それより前は固定相場の1ドル=360円を使っています。
為替の数字がそろうのが1950年以降なので、比べるのも1950年以降に買った場合です。
| 持った年数 | ドルで見たマイナスの割合 | 円で見たマイナスの割合 | 円で見たいちばん悪い年率(買った月) |
|---|---|---|---|
| 1年 | 20.9% | 27.7% | −50.7%(2007年12月) |
| 5年 | 7.5% | 16.5% | −8.8%(2007年6月) |
| 10年 | 2.9% | 9.0% | −5.4%(1999年3月) |
| 15年 | 0% | 0% | +1.1%(1963年11月) |
| 20年 | 0% | 0% | +3.3%(1958年11月) |
円で見ると、マイナスになる割合はどの年数でも大きくなります。
10年持った場合は、ドルなら2.9%のところが、円では9.0%でした。
一度もマイナスがなくなるのは、ドルなら12年、円なら15年です。
1971年以降に買った場合に絞っても、ドル12年・円15年で同じでした。
円で見た方がマイナスが多くなったのは、この間に円高が進んだからです。
1ドルは360円から、いちばん円高だった2011年10月には76円台になり、2026年9月は156円です。
ドルで増えた分の一部が、円に直すときに目減りしました。
それでも15年持てば、円で見てもどの月に買ってもプラスで、いちばん悪かった1963年11月に買った場合でも年+1.1%です。
円で見ると、一度もマイナスがなくなるまでの年数がドルより3年長かったのは、この期間の為替の動きの結果です。
円で見るといつも3年長くかかる、という意味ではありません。
円安が進む時期を挟めば、反対に円で見た方が成績が良くなることもあります。
米国株を円で持つと、株価の上下に加えて、為替の動きも成績を大きく左右します。





円で見ると、一度もマイナスにならなくなるまでの年数はドルより3年長い15年やった。
ただ、これはこの期間に円高が進んだからで、いつも3年余分にかかるわけやないで。





米国株を円で持つと、株価だけやなくて為替でも成績が大きく動くってことやな。
何年持つかを考えるときは、為替リスクも頭に入れておきたいところや。
物価の上昇を差し引くと、21年
ここまでの数字は、物価の上昇を差し引く前(名目)のものです。
1871年から2026年までに米国の物価は約27倍になっていて、同じ1ドルで買える物の量は大きく減っています。
物価の上昇を差し引いた実質で見ると、15年持ってもマイナスは1,689回のうち74回(4.4%)ありました。
20年でも1回(1901年6月に買った場合)残り、一度もマイナスがなくなるのは21年以上持った場合です。
米国の経済学者ジェレミー・シーゲル教授の『株式投資(原題:Stocks for the Long Run)』第2版には、1802年から1997年までのデータで、17年以上持てば株式がインフレに負けた期間はないと書かれています。
データの期間が違うので年数は少しずれますが、物価を引いて見ると、20年前後は持つ必要があるという点は同じです。





物価の上昇を差し引くと、米国株が一度もマイナスにならなくなるまでの年数は16年から21年になる。
老後に使うお金なら、こっちの21年で考えておくと安心かな。
毎月積み立てた場合
ここまでは、一度にまとめて買った場合の計算です。
毎月同じ金額を積み立てた場合は、積立を終える時期の相場の影響を受けます。
1950年以降に積立を始めて15年続けた場合、元本を割ったのは741回のうち2回でした。
1994年の2月か3月に始めて、金融危機で株価が底を打った2009年に終えた場合です。
20年続けた場合は、大恐慌を含む1871年以降でも、元本を割ったのは1,629回のうち1回だけでした。
積立の場合の計算と、下がったときの考え方は、Kindle本『家計から逆算する インデックス投資の始め方』の第7章にまとめています(本の紹介記事)。
この数字の3つの前提
1つ目は、米国株の過去の成績だということです。
これから先も同じになる保証はありません。
2つ目は、国によって答えが変わることです。
日本の日経平均株価は、1989年末につけた38,915円の高値を超えるのに、2024年2月まで34年かかりました。
これは配当を含まない株価だけの話ですが、1つの国の株だけに投資すると、こういう時期にぶつかることがあります。
全世界の株式に投資するオルカンは、米国が約6割で、残りを日本を含むほかの国に分けて持つ形です。
3つ目は、手数料と税金を考えていないことです。
実際には信託報酬などのコストがかかるので、成績はその分だけ下がります。
自分のお金に当てはめると
何年持てるかは、そのお金をいつ使うかで決まります。
20年先に使うお金なら、途中で大きく下がる年があっても、使う日までに回復を待つ時間があります。
一方、3年後に使うお金を株式で持っていると、下がった年にちょうど使う時期が来てしまうかもしれません。
このデータから考えると、インデックス投資に回すのは、10年以上、できれば15年以上使わないお金がいいと思います。
下がったときの考え方は株が下がったらどうする?に、使う日と金額の決め方は投資の目標の立て方に書いています。





積立を始めた2022年に、いきなり米国株が大きく下げたんやったな。





始めたばかりで評価額が減っていくのは、気が気でなかった。
それでも、下がってるときは買い場やと思って続けたわ。
この記事の要点
米国株を1年だけ持つと、27.2%がマイナス(1,857回中506回)
15年持つとマイナスは1,689回中1回、20年持てば一度もなし
1950年以降に買った場合は、12年持てば一度もマイナスなし
円で見ると、1950年以降で一度もマイナスがなくなるのは15年(ドルは12年)/為替の動きも成績を大きく左右する
物価の上昇を差し引くと、一度もマイナスがなくなるのは21年
米国株の過去の話で、日本株だけなら年数は変わる
何年持てるかは、そのお金を使う日で決まる
関連記事
▶ 株が下がったらどうする?答えは「いつ使うお金か」で決まる
▶ 長期投資とは?メリットと短期投資との違いをわかりやすく解説
▶ ドルコスト平均法とは?仕組みとメリット・デメリットを解説
▶ S&P500とは?仕組みと構成銘柄の偏りをわかりやすく解説
▶ インデックス投資はいくら貯めたら十分?目標額の決め方と、積立をやめていいタイミング
▶ Kindle第3弾を出版しました|『家計から逆算する インデックス投資の始め方』
よくある質問(FAQ)
Q1. オルカンでも同じ年数でいいですか?
この記事で計算したのは米国株だけやから、オルカンで「一度もマイナスにならなくなるまでの年数」が同じになるかは分からへん。
オルカンも約6割は米国やから、似た動きをする時期は長いと思う。
目安としては、10年以上、できれば15年以上使わんお金で積み立てるのは同じでいいかな。
Q2. 日本株だけだとどうなりますか?
日経平均は、1989年末の高値を超えるのに34年かかった。
配当を入れたら高値を取り戻すまでの年数は縮むけど、1つの国だけやと、こういう時期にぶつかることはある。
日本株だけで積み立てるなら、この記事の「何年持てばマイナスにならないか」の年数は、そのまま当てはめん方がいいと思う。
Q3. 15年持てば、これからも絶対にマイナスになりませんか?
絶対とは言えへん。
これは1871年から2026年までの米国株の結果で、これから先も同じになる保証はない。
ただ、1年やと4回に1回はマイナスやった株が、持つ年数を延ばすほどマイナスになりにくくなったのは、150年分のデータで確かめられる。
Q4. 積立の途中で大きく下がったら、止めた方がいいですか?
使う日がまだ先なら、続けた方がいいと思う。
下がった月は、同じ金額でいつもより多く買える月でもあるからな。
止めるかどうかは、相場やなくて家計の事情で決めたらいい。
まぐのメモ
積立を始めた2022年は、いきなり米国株が大きく下げた年やった。
150年分を計算してみたら、1年だけ持って4回に1回以上マイナスになるのは、株やったら普通のことやった。
それが15年持つとマイナスは1,689回のうち1回だけになって、20年持ったら1回もなかった。
使うのが先のお金なら、下げた年もそのまま持っておけばいい、というのを数字で確かめられたのはよかったと思ってる。
■Kindle Unlimitedなら0円で読めるで📕(3冊)
このブログでやってることを、3冊にまとめてある。
読み放題に入ってたら、どれもタダで読めるで。
▶ 第3弾『家計から逆算する インデックス投資の始め方』(入口編:毎月いくらを家計から逆算して、積立を始めるまで)
▶ 第1弾『10年データで選ぶ高配当株入門』(選び方編:8つの物差しと10年データでの採点)
▶ 第2弾『10年データで組む高配当株ポートフォリオ』(組み方編:現金30万円で30銘柄を買った実録)
👆 本の名前をタップでAmazonへ(Kindle Unlimitedなら0円/入ってなければ各500円)
■投資・お金の感情、関西弁でLINEに乗せたいあなたへ📱
まぐ&チャッピーのLINEスタンプ第1弾「投資・お金関西弁40種」がLINE STOREで販売中や!
爆上げ・暴落・ナンピン・塩漬け・配当まで、投資家あるあるの感情をぜんぶ関西弁でカバーしてるで。
👆 画像をタップでLINE STOREへ(120円・40種)
注意事項・データ出典
本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の金融商品の売買を推奨するものではありません。
数値は過去のデータにもとづく計算で、将来の成果を保証するものではありません。
データ出典:ロバート・シラー教授の公開データ(米国株=S&P総合指数・1871年1月〜2026年9月)。
ドル円は米国の連邦準備制度理事会の月平均(FRED「EXJPUS」・1971年1月〜2026年9月)、1970年以前は固定相場の360円です。
日経平均株価の高値は日本経済新聞社の公表値です。
投資の最終判断は、ご自身の責任において行ってください。







コメント