高配当株を31銘柄持っている状態で、次の1銘柄をどう選ぶか。
この記事は、実際に買った記録です。
この連載では、30万円で日本の高配当株を買い、そのポートフォリオを公開しています。
銘柄選びの材料にしているのが、月に一度noteにまとめている高配当株ランキングです。
東証の全銘柄から配当利回り3.5%以上を拾い、時価総額・ROE・自己資本比率・配当性向でふるいにかけて、残った銘柄を財務8項目・20点満点で採点して並べています。
無料で最後まで読めます。
先月は、このランキングとポートフォリオを重ねて、まだ持っていない業種の銘柄を1つ買い足しました。
今月はそれに加えて、持っている銘柄が少ない業種の銘柄も候補に入れて比べています。
結論から書くと、買ったのはスパークス・グループ(8739)を4株です。
もう1つの候補だった渋沢倉庫は、配当を前の年より下げない「累進配当」を掲げています。
それを分かったうえで、まだ持っていない業種を先に埋めました。
📝 この記事でわかること
✅ 31銘柄18業種と10月のランキングを重ねると、候補は「持っていない業種」と「持っている銘柄が少ない業種」の2社
✅ 証券のスパークス(8739)を4株買って19業種目に
✅ 渋沢倉庫は累進配当を掲げる会社で、見送ったのは業種の分散を優先したから
✅ スパークスの配当は業績で動く(今回の増配の理由は「日経平均が6万円台」)
✅ 株数は、1銘柄の配当が全体の5%を超えないように決めて4株
✅ 持っているあいだに、3社が配当予想を引き上げていた(年間で約30円)
この連載を初めて読む場合は、30万円で高配当株30銘柄を実際に買ってみたが入口です。
自分で一から組む手順を探しているなら、30万円で高配当株ポートフォリオを組む方法の方が直接の答えになります。
結論|今回は「持っていない業種」を先に埋めた
1銘柄を足すときの候補は、2種類です。
① まだ1銘柄も持っていない業種の銘柄
② 持っている銘柄が少ない業種の銘柄
①は、これまで配当を1円も受け取っていなかった業種から、新しく配当が入ってくる買い方です。
②は、すでに配当が入っている業種に、もう1社ぶんの配当が加わる買い方です。
その業種の1社が減配しても、影響が小さく済むのが良いところです。
候補どうしの点数や利回りに大きな差がないなら、業種が1つ増えるぶん、①を先にやる方が分散は大きく広がります。

持ってない業種を埋めるのも、少ない業種に足すのも、分散にはなるんやね。





どっちも分散や。
少ない業種に足すと、その業種の1社が減配したときの備えになる。
持ってない業種を埋めると、ある業種が丸ごと不調になったときの備えになる。
今月のランキングと重ねる
実録連載で持っている31銘柄は、18業種に分かれています。
10月のランキングでは、利回り3.5%以上の日本株936社を、時価総額・ROE・自己資本比率・配当性向の条件でふるいにかけました。
残ったのは83社で、これを財務8項目で採点し、上位30銘柄をTOP30として載せています。
ふるいに残った83社と、31銘柄18業種を重ねた結果がこちらです。
| 持っていない業種 | 持っている銘柄が少ない業種 | |
|---|---|---|
| いま持っている業種 | なし(0銘柄) | 倉庫・運輸関連業(上組)ほか4業種 |
| 今月の候補 | スパークス・グループ(8739) | 渋沢倉庫(9304) |
| 業種 | 証券、商品先物取引業 | 倉庫・運輸関連業 |
| 順位 | 27位 | 41位 |
| スコア | 17/20 | 16/20 |
持っていない業種の銘柄は、TOP30の中ではスパークスだけでした。
同じ証券のJIA(7172)は36位にいますが、先月、営業キャッシュフローが10年中7年マイナスという理由で見送っています。
TOP30の外まで広げると、非鉄金属のDOWA(5714)が52位にいますが、直近で1株配当を368円から338円に下げています。
持っている銘柄が少ない業種では、渋沢倉庫がいちばん上でした。
倉庫・運輸関連業は、上組の1銘柄しか持っていません。
2社を並べる
株価と利回りは2026年9月30日の終値です。
| 項目 | スパークス(8739) | 渋沢倉庫(9304) |
|---|---|---|
| 事業 | 独立系の資産運用会社 | 倉庫の準大手・総合物流 |
| 株価 | 2,645円 | 2,197円 |
| 今期の1株配当(予想) | 110円(前期90円) | 90円(うち記念配当10円) |
| 利回り | 4.16% | 4.10%(記念配当を除くと3.64%) |
| 10年の配当 | 20円→90円(1度だけ減配) | 11.25円→56円(減配なし) |
| 配当の方針 | 数値の決まりなし | 配当性向50%以上の累進配当 |
| 営業キャッシュフロー | 10年すべてプラス | 10年すべてプラス |
| 自己資本比率 | 68.1% | 57.3% |
利回りはほとんど同じです。
渋沢倉庫は累進配当を掲げていて、スパークスは業績次第で配当が動く会社です。
スパークス・グループ|持っていない業種を埋められる
スパークス・グループは、独立系の資産運用会社です。
投資家から預かったお金を運用し、預かっている残高に応じた手数料(残高報酬)と、運用成績が良かったときの手数料(成功報酬)で稼いでいます。
業種は、東証の33業種では「証券、商品先物取引業」に入ります。
31銘柄18業種の中に、この業種は1つもありませんでした。
10年ぶんの数字はこうなっていました。
| 項目 | 10年前(2017年3月期) | 直近(2026年3月期) | 判定 |
|---|---|---|---|
| 1株配当 | 20円 | 90円 | 2020年3月期に1度だけ減配 |
| 営業収益 | 89億円 | 196億円 | 2.2倍 |
| EPS | 57.75円 | 161.40円 | 2.8倍 |
| 営業キャッシュフロー | 20億円 | 59億円 | 10年すべてプラス |
| 営業利益率 | 35.6% | 46.1% | 10年すべて30%超 |
財務8項目のうち、○がついたのは①配当と⑧配当性向の2つです。
残りの6項目は◎です。
営業利益率が40%前後あるのは、資産運用という事業の形によるものです。
工場や在庫を持たず、預かる残高が増えても人件費やシステムの費用は増えにくいので、売上の多くが利益として残ります。
自己資本比率は68.1%、ROEは20.8%です。





利益率が高いのは、運用会社っていう商売の形から来てるんやね。





そうやな。
利益率は業種によって水準がまったく違うから、ほかの業種の会社と並べて比べるもんでもない。
ポートフォリオで見たら、今まで持ってへんかった資産運用の会社から、配当が入るようになったってことや。
スパークスの弱み|配当が業績で動く
スパークスは、配当性向などの数字で配当の決まりを出していません。
株主還元は「安定性・継続性に配意しつつ、業績動向、財務状況、成長投資の機会及び還元性向等」を総合的に考えて決める、としています。
今期の配当は、7月31日に94円から110円へ増額されました。
会社が挙げた理由は、配当予想を出した5月以降も「日経平均株価は6万円台で推移する等、基礎収益が継続的に増加している」ことです。
基礎収益は、残高報酬から毎年かかる経費を引いた、会社が最も重要な経営指標の一つとしている数字です。
つまり、この増配は株式市場が高いことを前提にしています。
相場が下がって預かる残高が減れば、残高報酬も減ります。
成功報酬は、相場次第でさらに大きく変わります。
実際に、10年の中で1度だけ配当を下げた2020年3月期は、EPSが80.61円から57.40円へ29%減った年でした。
この連載の31銘柄は、どれも10年の配当と営業キャッシュフローで選んでいます。
その中に、相場が崩れたときに配当まで減りやすい銘柄を1つ加えることになります。
そこは分かったうえで買っています。





相場が高いから増配したってことは、下がったら減配もありえるな。





そこがこの銘柄の弱いところや。
ただ、どの銘柄も1銘柄の配当が全体の5%を超えへんように株数を決めてる。
仮にスパークスの配当が半分になっても、ポートフォリオ全体の配当は2%も減らへん。
渋沢倉庫|累進配当を掲げている
渋沢倉庫は、渋沢栄一が創業した倉庫会社です。
倉庫と物流に加えて、持っている土地や建物を貸す不動産事業も持っています。
配当の方針は、2026年3月期から「配当性向50%以上の累進的な配当」です。
10年の配当も11.25円から56円まで、一度も下げていません。
見送ったのは、渋沢倉庫に気になるところがあったからではありません。
倉庫・運輸関連業はすでに上組を持っていて、スパークスを買えば、まだ1銘柄も持っていない業種を1つ増やせるからです。
業種の分散を優先しました。
1つ知っておきたいのは、今期の90円のうち10円が創業130周年の記念配当だということです。
記念配当はその年かぎりなので、来期に続くのは普通配当の80円です。
80円で計算すると、利回りは3.64%になります。
何株買うかは、配当から決める
株数の決め方は、これまでと同じです。
金額ではなく、1銘柄から受け取る配当が全体の5%を超えないようにします。
いま受け取る配当は、税引前で年間12,812円です。
31銘柄の今の会社予想で計算した金額です。
スパークスを4株買うと、配当は110円×4株で440円増えます。
| 項目 | 買う前 | 買ったあと |
|---|---|---|
| 年間配当(税引前) | 12,812円 | 13,252円 |
| 5%のライン | 641円 | 663円 |
| スパークスの配当 | ― | 440円(全体の3.32%) |
| 証券、商品先物取引業からの配当 | 0円 | 440円(全体の3.32%) |
1銘柄で5%以内、1業種で10%以内。
どちらも余裕があります。
4株にしたのは、受け取る配当がほかの銘柄と同じくらいになるからです。
31銘柄の年間配当は1銘柄あたり320〜540円で、4株の440円はその中に入ります。
ひとつ注意があります。
スパークスの中間配当55円は9月30日が権利確定日です。
買ったのは10月1日で、権利落ち日の9月29日を過ぎています。
今回の中間配当は受け取れず、最初に入るのは2027年3月末が権利確定日の期末配当55円×4株=220円です。
注文と約定
注文は、先月と同じく楽天証券の「かぶミニ」で、寄り付きの成行にしました。
寄り付きの注文には、リアルタイム取引の0.22%のスプレッドが乗りません。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 銘柄 | スパークス・グループ(8739) |
| 数量 | 4株 |
| 注文条件 | 寄付(10月1日) |
| 価格 | 成行 |
| 口座 | 特定口座 |
| 概算代金 | 10,580円 |
| 手数料 | 0円 |
10月1日の寄り付きで約定しました。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 約定日 | 2026年10月1日 |
| 約定単価 | 2,645円 |
| 数量 | 4株 |
| 約定代金 | 10,580円 |
| 手数料 | 0円 |
| 年間配当(税引前) | 440円 |
取得単価2,645円に対して1株配当110円なので、取得利回りは4.16%です。
この日の東証の始値も2,645円で、約定単価と1円も違いません。
前日の終値も2,645円だったので、注文時の概算10,580円がそのまま約定代金になりました。
これで32銘柄・19業種になりました。
受け取る配当は年間で税引前13,252円、20.315%が引かれた税引後は10,560円です。
| 項目 | 買う前 | 買ったあと |
|---|---|---|
| 銘柄数 | 31 | 32 |
| 業種数 | 18 | 19 |
| 年間配当(税引前) | 12,812円 | 13,252円 |
| 年間配当(税引後) | 10,209円 | 10,560円 |
持っているあいだに、3社が配当予想を引き上げていた
今回、ポートフォリオ全体の年間配当を、31銘柄の今の会社予想にそろえて計算し直しました。
9月の記事では12,689円と書いていましたが、計算すると12,812円でした。
増えた123円のうち約30円は、7月から9月のあいだに配当予想を引き上げた3社のぶんです。
| 銘柄 | 業種 | 株数 | 発表日 | 内容 | 年間配当への影響 |
|---|---|---|---|---|---|
| アイカ工業 | 化学 | 3株 | 8月4日 | 1株4円の増額 | +12円 |
| NSD | 情報・通信業 | 4株 | 9月28日 | 1株3円の増額 | +12円 |
| ショーボンドHD | 建設業 | 8株 | 8月10日 | 新しい期の予想が実質1.6%の増配(株式分割を考慮) | 約+6円 |
アイカ工業とNSDは、業績予想の上方修正と一緒に配当を引き上げました。
ショーボンドHDは6月決算で、8月に新しい期の予想を出しています。
残りの約93円は、7月に組んだときの数字の取り方と、今の会社予想との差です。





どこが増配してくれるかは、前もっては分からんのよな。
ただ、増配してきた会社を業種を分けて持ってれば、どれかが上げてくれて、全体としては増えていく可能性が高いと思ってる。





今回の3社も、化学、情報・通信業、建設業と業種はばらばらや。
1社ずつの増配は数円でも、31銘柄あれば3か月のうちに3社がどこかで上げてくれてた。
まとめ|2社を比べて、今回は持っていない業種を選んだ
今回やったことは、3つです。
① 31銘柄18業種と、今月のランキングを重ねた
② 「持っていない業種」と「持っている銘柄が少ない業種」から1社ずつ候補を出した
③ 2社を並べて、業種が1つ増える方を選んだ
来年以降も配当を減らさずに出してくれるという安心感は、累進配当を掲げる渋沢倉庫の方が大きいです。
それでもスパークスを選んだのは、同じくらいの利回りなら、まだ持っていない業種を1つ増やす方を先にしたかったからです。
株数は、ほかの銘柄と同じく、1銘柄の配当が全体の5%を超えないように決めて4株にしました。
渋沢倉庫は、来月以降も候補に残します。
今いちばん銘柄が少ないのは1銘柄だけの業種で、スパークスを含めて6つあります。
| 1銘柄だけの業種 | いま持っている銘柄 |
|---|---|
| 倉庫・運輸関連業 | 上組 |
| 精密機器 | タムロン |
| その他製品 | オカムラ |
| 電気機器 | キヤノン |
| 小売業 | サンドラッグ |
| 証券、商品先物取引業 | スパークス・グループ |





これでTOP30の中に、持ってない業種は無くなったわ。





TOP30の中ではな。
ここからは持ってる銘柄が少ない業種に足すか、今ある銘柄の買い増しかのどっちかになる。
どっちにするかは、来月のランキングを見てからや。
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よくある質問(FAQ)
Q1. 利回りが同じくらいなら、累進配当の渋沢倉庫の方が安心ではないですか?
来年以降も配当が減らへんという安心感で見たら、そうやと思う。
今回見送ったのは、渋沢倉庫に不安があったからやなくて、業種の分散を大事にしたからや。
倉庫はもう上組を持ってて、証券は1銘柄も持ってへんかった。
渋沢倉庫は来月以降も候補に残してる。
Q2. スパークスの配当が減ったら売るのですか?
減ったというだけでは売らへん。
先に理由を確かめる。
相場が下がって残高報酬が減った一時的なもんか、会社の稼ぐ力そのものが落ちたんかで判断が変わるからな。
そのための株数でもあって、4株やと仮に配当が半分になっても、全体の配当は2%も減らへん。
Q3. 9月の中間配当はもらえないのですか?
もらえへん。
買ったのは10月1日で、スパークスの中間配当の権利落ち日(9月29日)より後やからな。
中間配当をもらうには、権利付き最終日の9月28日までに買っとく必要があった。
最初に入るのは2027年3月末の期末配当で、55円×4株の220円や。
年間の440円は、来年度から丸ごと入る計算になる。
Q4. 資産運用の会社が「証券」の業種に入るのですか?
東証の33業種では、スパークスは「証券、商品先物取引業」に入ってる。
業種はこの33業種をそのまま使ってて、自分で分け直すことはしてへん。
誰が数えても同じ結果になるからや。
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