
オプション取引とは、将来の決まった日までに、決まった値段で売買できる権利を売り買いする仕組みです。
買う権利をコール、売る権利をプットといいます。
先物との違いは、義務か権利かです。
先物は満期に必ず決済する義務がありますが、オプションの買い手は使わないという選択ができます。
ここでは使っていません。
理由をひとつだけ挙げるなら、時間の向きが逆だからです。
オプションは持っているだけで価値が減っていきますが、配当は持っているだけで積み上がります。
この記事では仕組みを見たうえで、その話まで書きます。
📝 この記事でわかること
✅ オプション=決まった値段で売買できる「権利」を売り買いする仕組み
✅ 買う権利がコール、売る権利がプット
✅ 権利の値段をプレミアムという
✅ 買い手の損はプレミアムまで 売り手の損は大きくなりうる
✅ 満期が近づくほど、権利の値段は減っていく
✅ 配当とは時間の向きが逆なので、ここでは使っていない

権利を売り買いするって、いまいちピンとけえへんな。





予約券みたいなもんやと考えたらいいで。
「この値段で買える券」を先に買うておく。
値段が上がってたら使うし、上がってへんかったら使わんと捨てる。
そのかわり券の代金は戻ってけえへん、という仕組みや。
コールとプット|買う権利と、売る権利
オプションは2種類あります。
| 種類 | 何ができる権利か | 使う場面 |
|---|---|---|
| コール | 決まった値段で買う権利 | 上がったときに得をする |
| プット | 決まった値段で売る権利 | 下がったときに得をする |
値段を決める要素は3つです。
権利を使える値段である行使価格、いつまで使えるかという満期日、そして権利そのものの値段であるプレミアムです。
そして、それぞれに買い手と売り手がいます。
つまりコールの買い・コールの売り・プットの買い・プットの売りの4通りがあり、損と利益の形がそれぞれ違います。


形が正反対になる
買い手の損は、払ったプレミアムまでで止まります。
使わずに捨てればそれ以上は減りません。
売り手はその逆で、受け取るプレミアムが利益の上限になり、損の方には上限がありません。





買い手の方が安全そうに見えるけど、そういうもん?





損が限られてるという意味ではそうやな。
ただ限られてるのは損の大きさだけで、ゼロになる確率は低くないんよ。
次の章の話がそこにつながるで。
オプションは、待っているだけで価値が減る
オプションの値段には、残り時間の分が含まれています。
満期までまだ日があるうちは「これから動くかもしれない」という期待が値段に乗り、満期が近づくほどその分が抜けていきます。
つまり相場が動かないまま日が過ぎると、何も起きていないのに権利の値段だけが下がります。
そして満期の時点で行使価格に届いていなければ、権利は紙くずになります。
方向が合っていても間に合わないことがある、というのがここです。
「上がる」と思って買って実際に上がったとしても、満期までに上がらなければゼロになります。
当てるべきものが、方向と時期の2つあるということです。





方向が合ってても負けることがあるんか。
それはしんどいな。





そこがいちばんの違いやと思ってる。
現物の株やったら、上がるまで待てばいいだけやからな。
オプションは待ってる時間そのものが減点になるんよ。
配当とは、時間の向きが逆
ここが、この記事でいちばん書きたいところです。
オプションは、持っている時間が長いほど価値が減っていきます。
一方配当は、持っている時間が長いほど受け取った合計が積み上がっていきます。
同じ「持ち続ける」でも、時間が味方になるか敵になるかが正反対です。
配当で受け取る設計は、待てることを強みにしています。
値段が動かない年でも配当は入りますし、下げている年でも入ります。
急ぐ理由がないので、判断する回数そのものが少なくなります。
オプションはその逆で、期限を自分で背負う道具です。
使うなら、いつまでにどうなるかを毎回決める必要があります。
どちらが優れているという話ではなく、同じ設計のなかに置くと判断の基準が2つになってしまう、ということです。
⚠️なお、オプションはNISAでは扱えません。
対象は現物の株式・投資信託・ETFで、NISAにレバレッジのかかる商品は入っていません。





保有してる株の保険としてプットを買う、みたいなのはどうなん?





考え方としてはあるで。
ただ保険には期限があるから、切れるたびに掛け直さなあかん。
そのたびにプレミアムを払うことになるから、長い目で見ると受け取る配当を削ってまう。
こっちは分散の方で手当てしてるという整理やな。
使わなくても、意味は分かるようにしておく
使っていない道具ですが、言葉の意味は知っておいて損はありません。
相場のニュースに出てくるからです。
たとえばVIX指数は、オプションの値段から計算されています。
「これから相場がどれくらい荒れそうだと思われているか」を数字にしたもので、オプションの仕組みを知っていると、この指数の意味が分かります。
先物やオプションを含めた売買の道具について、どこまで見てどこから使わないかは株の需給とはで一覧にしました。
基準は毎回同じで、それで売り買いを決めるかどうかの一点です。
まぐのメモ
オプションを使わないのは、難しいからではありません。
期限を背負いたくないからです。
配当を受け取る形にしてから、いちばん楽になったのは「いつまでに」を考えなくてよくなったことでした。
下げても待てますし、動かなくても入ってきます。
オプションはその逆で、待つほど不利になります。
だから、いつか使うかもしれないという含みも持っていません。
同じ口座のなかに時間の向きが違う道具を混ぜると、どちらの物差しで判断しているのか分からなくなるからです。
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よくある質問(FAQ)
Q1. オプションの買いなら損失は限定されますか?
払ったプレミアムまでで止まるのは本当やで。
⚠️ただし限定されてるのは損の大きさだけで、ゼロになる確率が低いという意味やない。
方向が合ってても、満期までに間に合わへんかったら紙くずになるからな。
Q2. 先物とオプションはどう違いますか?
義務か権利かやな。
先物は満期に必ず決済せなあかんけど、オプションの買い手は使わへんという選択ができる。
そのかわり、権利の代金は戻ってけえへんで。
Q3. NISAでオプションは買えますか?
買えへんな。
NISAの対象は現物の株式・投資信託・ETFで、レバレッジのかかる商品は入ってへん。
先物と同じ扱いやで。
Q4. 高配当株投資でオプションを使う場面はありますか?
こっちでは無いと思ってる。
オプションは持ってるだけで価値が減るけど、配当は持ってるだけで積み上がる。
時間の向きが逆やから、同じ棚に置く道具やないという整理やな。
まとめ
オプション取引は、決まった値段で売買できる権利を売り買いする仕組みです。
買う権利がコール、売る権利がプットで、権利の値段をプレミアムといいます。
買い手の損はプレミアムまでで止まり、売り手は利益の方が限られます。
そして満期が近づくほど、権利の値段は減っていきます。
方向が合っていても、間に合わなければゼロになります。
当てるべきものが、方向と時期の2つあるということです。
ここで使っていないのは、配当と時間の向きが逆だからです。
オプションは持っているだけで減り、配当は持っているだけで積み上がります。
使わない道具ですが、VIX指数などのニュースを読むために意味は知っておく価値があります。
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