■PTSって?

チャッピー、株の注文画面で「PTS」って出てくるけど、これってなんなん?

お、ええとこに気づいたな!
PTSっていうのは「私設取引システム(Proprietary Trading System)」の略で、証券取引所(東証)じゃなくて、証券会社や運営会社が作った“もうひとつの株式市場”みたいなもんや。
有名なのは「ジャパンネクストPTS(JNX)」と「チャイエックスPTS(Chi-X)」やな。
■ PTSのメリットって?

じゃあ、東証と何が違うん?

一番の違いは「取引できる時間」や。
東証は9:00〜15:30(11:30〜12:30は休憩)
やけど、PTSやと
- SBI証券のJNX:朝8:20〜16:30(デイタイム)+17:00〜23:59(ナイトタイム)
- 楽天証券のJNX:ほぼ同じ時間帯 みたいに、東証が閉まってから夜でも取引できるんや。
■なんで夜に取引するん?

夜も株できるって便利そうやけど、なんで時間外に売買したい人がおるん?

理由はいくつかあるで👇
- 決算発表が引け後に出る → すぐに取引したい
- 米国市場が開く時間帯 → 海外の影響を日本株に先回りして反映させたい
- 翌日の寄り前に市場の反応を先に見ておきたい

なるほど、時間外(15:30以降)の変化に対して反応して株価が動いていくってことか。
それなら翌営業日の値動きのヒントになりそうやな。
■ 権利付最終日も取引できる?

時間外に取引できるってことは、配当や株主優待の「権利付最終日」の夜も取引できるってこと?

できるけど、ここがややこしいとこや!
PTSのデイタイムセッション(~16:30)までなら大丈夫やで。
でも、PTSのナイトタイムセッション(17:00〜23:59)は、約定日が翌営業日扱いになるんや。
つまり、権利付最終日の夜に買っても、それはもう「権利落ち日」の取引扱いになるから、その回の権利は取れへん。

PTSを使えば1時間延長されるってことか。
バタバタして買い逃しそうやし、権利を取りたいなら無難に「権利付き最終日」までに取引を終わらせとくのが良さそうやな。

ちなみに、権利付最終日の夜に売っても、その日の15:30時点で持ってた分の権利は残る。
配当の権利取りしてすぐ売りたい人には便利やで。
■ 値幅制限はどうなってる?

昼間の東証とPTSって、例えば値幅制限は一緒なん?

せや。PTSの値幅制限は基本的に昼間の立会市場と同じやで。
1日の上限・下限は東証のルールがそのまま適用される。
たとえば、昼間にストップ高やストップ安になった銘柄も、その日のPTSでは同じ値幅の中でしか動けへん。

ってことは、昼間にストップ高した株をPTSでさらに高く売ることはできへんってことやな?

そうそう。
しかも、昼間に値が付かずにストップ高やストップ安で終わった銘柄(寄り付かなかった銘柄)は、PTSでも売買できへん場合が多いんや。
要は、東証でその日の基準価格(始値・終値)が決まらんかったら、PTSでも価格が成立せえへんってことやな。

なるほど…。
つまり、PTSは昼間の延長戦みたいなもんで、ルールも値幅も基本的に引き継ぎなんやな。
■ でも刻みは違う?

あれ?値幅は同じやけど、値段の刻みが細かくできることあるやんな?

そうそう!そこもちょっと違うところや。
東証では株価ごとに最小刻み(ティックサイズ)が決まっとって、たとえば株価1,500円の銘柄やと5円刻みやけど、
PTSでは0.1円とか0.01円単位で注文できることもある。
板の隙間を狙った微妙な価格で約定できる可能性があるんや。
■ SOR経由で勝手にPTS約定することも?

そういや、場中に成行で買ったら、注文したつもりはないのにPTSで約定してたことあるで?

それは多分「SOR注文」がONになってたからやな。
SOR(スマート・オーダー・ルーティング)は、その瞬間に一番有利な市場(東証かPTS)で自動的に約定させる仕組みや。
だから損してるわけでもないし、気にせんでも大丈夫やで。
■ SBI証券や楽天証券で使うには?

SBI証券のアプリからPTSでの取引をやってみようとしたんやけど、PTSの注文できんかった記憶があるけど?

それは多分「PTS取引の利用申込」をしてなかったからやな。
SBIや楽天では、口座開設だけじゃなくてPTS利用の事前申し込みが必要やで。
設定すると、注文画面で「市場:東証/PTS」って選べるようになる。
■ PTSを使うときの注意点

便利そうやけど、注意することある?

あるで。
- 板が薄いことが多くて、特に注文量が大きいと約定しにくい
- 東証よりも出来高が少なく、思った値段で売買できんこともある
- 値幅は昼間と同じでも、ティックサイズが細かい分だけ板の動きが早いこともある

なるほどな〜。PTSって夜取引できるし、刻み細かいし、便利やけど、板の薄さとかは気をつけなあかんわけやな。

無理に売買せんでも、情報として使うのがええで。
決算発表後や海外市場の影響を夜のPTSで先に確認して、「明日の寄りは荒れそうやな」とか「市場はこの決算をプラスに見とるな」って判断できる。
落ち着いて翌日以降に動けばええ。

なるほど、トレードよりも地合い確認ツールって感じの使い方もできるんやな。
自分の場合はそれが合ってるかも。

せや!PTSは「夜の市場の温度計」やと思えば使いやすいで。
■まとめ
- PTS(私設取引システム)=東証以外で株式売買できる市場。代表は「ジャパンネクスト(JNX)」と「チャイエックス(Chi-X)」。
- 取引時間:東証(9:00〜15:30)に対して、PTSは朝8:20〜16:30(デイタイム)+17:00〜23:59(ナイトタイム)まで取引可能(SBI・楽天のJNX例)。
- 権利付最終日の扱い:ナイトタイム(17:00〜)約定は翌営業日扱い=権利落ち日になるので、その回の権利は取れない。
- 値幅制限:昼間の東証と同じ範囲で適用。寄らずストップ高/安の銘柄はPTSでも売買できない。
- ティックサイズの違い:東証では株価ごとに最小刻みが決まるが、PTSは0.1円や0.01円単位での売買が可能。
- SOR注文:ONの場合は自動で東証かPTSの有利な市場で約定。損ではないので心配無用。
- 利用には事前申込が必要:SBI・楽天証券ではPTS取引の利用申込をしておくこと。
- 注意点:板が薄く、大口注文は約定しにくい。取引は慎重に。
まぐのメモ
PTSって名前だけ知ってたけど、調べたら「夜の株式市場」みたいで便利やな!
決算発表や米国市場の影響を、翌日を待たずに価格に反映できるのは確かに強みやと思った。
ただ、権利付最終日の夜はもう「権利落ち日」扱いになるってのは知らんかったから、これは要注意やな。
あと、寄らずストップ銘柄はPTSでも取引できないってのも知らんかったな。知識として覚えとこう。
自分は板の薄さが怖いから、いきなり大口で動かすより、「夜の市場の温度計」として見る使い方が合いそうやなと思ったわ。
ティックサイズが細かいのは魅力やけど、それ以上に“板の厚み”はしっかり確認してからやな。