バリュー株は、会社の実力に対して株価が低く評価されていると考えられる銘柄を指します。
割安株とも呼ばれ、PERやPBRが市場平均より低い水準にあることが多くなります。
成熟した業種の会社が中心で、配当を出している銘柄も多く含まれます。
高配当株として名前が挙がる銘柄とはかなり重なるが、バリュー投資という手法そのものは、配当を受け取り続ける投資とは出口の考え方が違います。
この記事では、その違いまで含めて整理しています。
📝 この記事でわかること
✅ バリュー株の定義と、判断に使われる指標
✅ 割安には理由がある──2つのパターン
✅ バリュー投資は「見直されたら売る」手法
✅ 高配当株投資との重なりと、決定的な違い
✅ バリュー株が動きにくい期間をどう考えるか
バリュー株とは? 実力より低く評価されている銘柄
バリュー株は、会社が持っている稼ぐ力や資産に対して、株価が低い水準にとどまっている銘柄を指します。
判断にはPER(株価収益率)とPBR(株価純資産倍率)がよく使われます。
利益に対して株価が安ければPERが低く、純資産に対して安ければPBRが低くなります。
業種でいえば、銀行、商社、鉄鋼、電力、建設、自動車といった成熟した産業に多くなります。
事業が確立していて利益は安定しているが、この先大きく伸びる見込みは限られていると市場が見ている、という状態です。

上の図のとおり、バリュー株はPER水準と成長期待が低いかわりに、業績の安定性と配当の手厚さが高い側に寄る。
値動きもグロース株ほど大きくありません。
この性格が、配当を受け取り続ける投資と相性がいい理由になっています。

PERが低い会社を選べば、それでバリュー株ってことでええん?





そう単純でもないんよ。
PERの水準は業種でまったく違うから、銀行と成長業種を並べて「銀行のほうが割安」と言うても、業種の性格を言い換えてるだけになる。
比べるなら同じ業種の中か、その会社の過去の水準とやね。
判断に使う指標の記事
▶ PER(株価収益率)とは? 割安・割高の見方をわかりやすく解説
▶ PBR(株価純資産倍率)とは? 1倍割れの意味をわかりやすく解説
割安には理由がある──2つのパターン
株価が低く評価されているのには、たいてい理由があります。
その理由は大きく2つに分かれ、どちらなのかで扱いが変わります。
1つめは、稼ぐ力が落ちてきている場合です。
業界そのものが縮んでいたり、主力の商品が競合に置き換わっていたりすると、この先の利益が減っていくと市場が見て株価が下がります。
この場合、利益が実際に落ちていけばPERは元の水準に戻るので、割安は解消されません。
2つめは、資産や現金を抱えたまま活かせていない場合です。
事業自体は安定していて利益も出ているが、手元に積み上がったものを使う先がなく、株主に返してもいない、という状態にあたります。
この場合は、会社が増配や自社株買いに動けば評価が変わる余地があります。





その2つ、外から見分けられるもんなん?





完全には分からへんけど、手がかりはある。
営業利益の段階から落ちているかどうかや。
本業の利益が何年も落ち続けているなら1つめ、利益は横ばいなのに自己資本比率と手元現金だけが厚くなっていってるなら2つめに近い。
2023年3月に東京証券取引所が資本コストや株価を意識した経営への対応を要請して以降、2つめのパターンの会社が増配や自社株買いを打ち出す動きが出た。
PBRが1倍を割っている状態を説明するよう求められたことが背景にあります。
バリュー投資は「見直されたら売る」手法
バリュー投資は、割安な銘柄を買い、市場が本来の価値を認めて株価が上がったところで売る、という手法です。
買った値段と売った値段の差、つまり売却益を取りにいく形になります。
割安が解消された時点で目的は達成されるので、そこで手放して次の銘柄に移る。
この手法では、割安がいつ解消されるかが読めないことが課題になります。
市場が見直すまで何年かかるかは分からず、見直されないまま終わることもあります。
その間、資金はその銘柄に置いたままになります。
| バリュー投資 | 高配当株を持ち続ける投資 | |
|---|---|---|
| 狙うもの | 売却益(買値と売値の差) | 配当(受け取り続ける) |
| 出口 | 割安が解消されたら売る | 基本的に売らない |
| 成功の形 | 株価が本来の水準まで戻る | 配当が減らずに続く |
| 株価が動かない期間 | 資金が寝ている状態 | 配当は入り続ける |





買う銘柄は似てても、待ってる出来事がちがうんやな。





そこが一番の違いやね。
バリュー投資では株価が動かへん期間は失敗に近いけど、配当を受け取る立場では、その期間も配当は入ってくる。
同じ3年を過ごしても、意味が変わるんよ。
2つの利益の取り方
▶ キャピタルゲインとインカムゲインの違いをわかりやすく解説
▶ 高配当株とは? 選び方と注意点をわかりやすく解説
高配当株投資との重なりと、決定的な違い
高配当株として選ばれる銘柄と、バリュー株とされる銘柄はかなり重なります。
成熟した業種で、利益が安定していて、成長投資に回す先が限られているぶん配当に回す──この形の会社は、配当利回りが高くなると同時にPERも低く出やすいからです。
それでも、このブログの銘柄選びをバリュー投資とは呼んでいません。
割安かどうかを条件にしていないためです。
20点採点の8項目は、1株配当・売上高・EPS・営業利益率・自己資本比率・営業キャッシュフロー・現金等・配当性向で、PERもPBRも入っていません。
見ているのは、株価が実力より安いかどうかではなく、配当を10年出し続けてきたか、これから先も出せる形かどうかになります。
結果として割安な銘柄が多く含まれることになるが、それは選んだ理由ではなく、そういう会社が多いという事実にすぎません。





株価が上がって割安やなくなったら、そこで売らへんの?





売っていない。
株価が上がると配当利回りは下がるけど、受け取る配当の額そのものは変わらへんからね。
買ったときの値段に対する利回りで見れば、増配のぶんむしろ上がっていく。
売ってしまったら、その先の配当は入ってこない。
逆に言えば、割安を解消してほしくて持っているわけではないので、株価が何年も動かないこと自体は困りません。
困るのは配当が減ったときで、そこだけは決算のたびに確かめています。
自前の銘柄分析(成熟業種の例)
▶ NTT(9432)の銘柄分析
▶ 日本製鉄(5401)の銘柄分析


まとめ|割安の理由と、自分の出口を先に決める
バリュー株は実力より低く評価されている銘柄を指し、PERやPBRの低さが手がかりになります。
ただし低い理由が稼ぐ力の低下にあるなら、その割安は解消されないまま利益のほうが落ちていく。
この記事のポイント
バリュー株=実力に対して株価が低く評価されている銘柄
割安の理由は2つ──稼ぐ力の低下/資産を抱えたまま活かせていない
バリュー投資は、割安が解消されたら売って売却益を取る手法
高配当株を持ち続ける投資とは、買う銘柄が重なっても出口が違う
当ブログの20点採点にPER・PBRは入っていない
まぐのメモ
持っている銘柄を並べると、PBRが1倍を割っているものがいくつかあります。
外から見ればバリュー株の集まりに見えると思うが、割安だから買ったものは一つもありません。
配当を10年出し続けてきたかどうかで選んだ結果、そうなっています。
買ったあとに株価が上がらない期間は長い。
ただ、その間も配当は年に2回振り込まれる。
株価が本来の水準まで戻るのを待つ投資だと、この期間は何も起きていない時間になってしまいます。
そこが自分の性格には合いませんでした。
割安が解消されるかどうかは市場が決めることで、こちらからは動かせません。
配当が続くかどうかは会社の利益と財務を見れば手がかりがあります。
自分で確かめられるほうを判断の軸に置いています。
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よくある質問(FAQ)
Q1. PERやPBRが低ければバリュー株ですか?
水準は業種によって大きく違うから、低いという事実だけではバリュー株とは言えへんな。
銀行や電力はもともとPERが低く出る業種やから、成長業種と並べて割安と判断してまうと業種の性格を読み違える。
同じ業種の他社と比べるか、その会社の過去の水準と比べるのが筋やで。
Q2. バリュー株と高配当株は同じものですか?
重なるけど、同じやないな。
バリュー株は株価が実力より低いかどうかの分類で、高配当株は配当利回りが高いかどうかの分類や。
成熟業種の会社は両方に当てはまることが多いから重なって見えるけど、選ぶときに見てる条件そのものが違うんよ。
Q3. 割安のまま株価が動かない銘柄はどうすればいいですか?
何を目的に持ってるかで答えが変わるな。
割安の解消を狙って買うたんやったら、その理由が今も成り立つのかを確かめ直すことになる。
配当を受け取る目的で持ってるなら、株価が動かへん期間も配当は入るから、確かめるのは株価やなくて配当が続く形かどうかやで。
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✅ NTT(9432)|15期連続増配・利回り3.5%
✅ アサヒGHD(2502)|18期連続増配・利回り3.4%
✅ 日本製鉄(5401)|PBR0.56・利回り4-5%
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