■DOEってどういう意味?

チャッピー、最近「DOEを重視した株主還元」ってよく聞くようになったんやけど、DOEってなんのことなん?

ええとこ気づいたな!DOE(Dividend On Equity)ってのはな、「株主資本配当率」って言うて、自己資本(株主のお金)に対して、どれくらい配当を出してるかっていう割合を示す指標なんや。

自己資本ってことは…純資産のことやな?
ROEは“利益”と比べてたけど、DOEは“配当”と“自己資本”の関係を見るってことか!

その通り!式で言うとこうやで:
DOE(%)= 配当金 ÷ 1株あたり純資産(BPS) × 100
■ROE・配当性向とどう違うん?

配当性向っていうのもあったよな?それとどう違うん?

ナイス質問や!整理するとこうやな:
- ROE:自己資本に対してどれだけ利益を出したか
- 配当性向:利益のうちどれだけを配当に回したか
- DOE:自己資本に対してどれだけ配当を出したか

なるほど!DOEは“配当重視”のスタンスを表す指標ってことか。
■DOEを使うメリットって?

DOEを使う一番のメリットはな、「安定配当の実現」やで。
たとえば利益が減っても、DOEを軸にしてる企業は「自己資本の○%」を基準にしてるから、毎年の配当額がブレにくいんや。

たしかに。配当性向ベースやと利益が減ると一緒に配当も減るもんな。

せやけど、DOEベースやと自己資本がそこまで減らん限り、配当水準を維持しやすいってわけやな。
■たとえ話:家計で考えてみると…

ちょっとまだピンとこんな…。なんかたとえ話ある?

ほな家計に例えるとこうやな:
- 自己資本 → 家計の“貯金”
- 配当金 → 月々のおこづかい
- DOE → 貯金のうち、何%をおこづかいに回してるか

おぉ、わかりやすい!
たとえば100万円の貯金があって、年間2万円使ってるならDOEは2%ってことか!

その通り。安定して貯金があれば、おこづかいも安定する。これがDOEが重視される理由やな。
■注意点:永遠に維持できるとは限らんで

でもさ、自己資本が減ったらDOEの維持も難しくなるんちゃうん?

それも正解!
自己資本が減ればDOEを維持するためには、配当を無理に出すことになる可能性もあるんや。そうなると逆に財務が不安定になるリスクもあるから、そこは注意が必要やな。
■実際にDOEを使ってる企業ってあるん?

日本の企業でDOEを使ってるとこってあるん?

あるで〜!たとえば
企業名 | 証券番号 | DOE目標・方針内容 | 備考・特徴 |
---|---|---|---|
キリンホールディングス | 2503 | DOE5%以上を目安 | 安定的・持続的な配当を重視 |
野村不動産ホールディングス | 3231 | DOE4%を下限 | 配当性向目標(約39%)と併用 |
双日株式会社 | 2768 | DOE4.5%以上を目標 | 累進配当方針も併用 |
E・Jホールディングス | 2153 | DOE3.0%に設定 | 安定的な配当維持を重視 |
中部飼料株式会社 | 2053 | DOE3%以上を目標 | 財務健全性も重視 |
積水化学工業 | 4204 | DOE3.0%以上を目標 | 配当性向40%以上も目標 |
日本ゼオン | 4205 | DOE4%以上を目標 | 高配当利回りも特徴 |
クリヤマホールディングス | 3355 | DOE2.5%に設定 | 配当性向30%以上も目標 |
ニッケグループ(日本毛織) | 3201 | DOE2.5%を目標(中期計画最終年度) | 配当性向35%も目標 |
ケンコーマヨネーズ | 2915 | DOE2.5%以上を目指す | 配当方針の第3フェーズで明示 |

それは配当狙いの投資家からすると、ありがたい方針やな!
■PBRとの関係もあるって聞いたけど?

DOEはPBR(株価純資産倍率)とは関係ないん?

お、ええとこ突くやん!
実はDOEとPBRには間接的な関係があるんや。
まず、DOEはこんな式でも表せるんや
DOE = ROE × 配当性向
これはつまり、ROEが高くて、配当性向も高ければ、DOEも高くなるってことや。

なるほど〜。そう考えると、DOEは“ROEと配当性向のハイブリッド”やな!

せやせや。
でな、ROEとPBRには、実はこんな関係があるんや:
PBR ≒ ROE ÷ 株主資本コスト(理論値)

おおっ…聞いたことあるような、ないような(笑)

かんたんに言うと、ROEが高ければ高いほど、PBRも高く評価されやすいってことや。
つまり「ROEが高い → PBRが高い → DOEが高い可能性あり」って流れになるわけやな。

なるほど、DOEを見て「還元ええやん!」と思ったときに、
「この会社はROEもしっかりしてて、PBRも割安か?」って確認するとよさそうやな!

そうそう、まさにその視点!
配当だけに目がいくと“割高株”をつかむ可能性もあるから、PBRもあわせて見るのがコツやで。
▼まとめ
- **DOE(株主資本配当率)**とは、「自己資本(純資産)に対してどれくらい配当を出しているか」を示す指標。
- 式で表すと: DOE(%)= 配当金 ÷ 1株あたり純資産(BPS) × 100
- ROEや配当性向との違いは以下の通り:
- ROE:自己資本に対してどれだけ利益を出したか
- 配当性向:利益のうちどれだけを配当に回したか
- DOE:自己資本に対してどれだけ配当を出したか
- DOEを重視することで、利益が減っても配当を安定させやすいメリットがある。
- 家計に例えると、貯金に対して、毎月いくらおこづかいを使ってるかの割合みたいなもん。
- DOEは次のようにも表される: DOE = ROE × 配当性向
- 高DOE企業は、ROEも高く、配当を手厚く出している“優良還元企業”の可能性がある!
▼まぐのメモ
DOEって正直はじめはピンとけえへんかったけど、「自己資本に対する配当の割合」って聞いてから、急にスッと入ってきた。
ROEとか配当性向とか、いろいろ指標があるけど、DOEは“株主に対する安定的な還元”を見るうえでは結構使えるんやなって思ったわ。
たとえば長期で配当狙いの投資をするなら、「DOEで2%以上を安定して出してる企業」ってのはひとつの安心材料になる気がするな。
あと、「DOE=ROE×配当性向」って式で考えると、その企業がどれくらい効率よく稼いで、どれくらい配当に回してるかっていうバランスも見えてくるんが面白い。
配当だけ高くても自己資本がスカスカでは意味ないし、財務の健全性とのセットで見たい指標やな!